立志の章
第4話 「そしてなんとなんと! 北郷盾二さんは……管輅ちゃんのいう天の御遣いだよ!」
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じゃなかったんだ!」
「桃香様……」
うう、だって『みやげ』って言われたら、そう思っちゃうよ。
私がチラッ、と盾二さんを見ると……あ、首を振っている。トホホ……
「とはいえ、手土産といってもな……三十人の小規模な野盗倒したぐらいじゃ、力自慢と変わらない。それに兵を集めるとしても……ここはその太守のお膝元だろう? 募兵してもあまり意味があると思えないな。むしろ、怒らせることになる可能性がある」
「ううむ……確かにそうだが」
「……桃香」
「なに?」
「公孫賛の人となりを、教えてもらっていいかい?」
「うん、いいよ。えーとね……白蓮ちゃんはさっきも言ったけど、割と優秀な人だよ。武も知もそこそこで、すごく優秀ってわけじゃないんだけど。あと、なんでもそつなくできる反面、影が薄くてね。たまーに盧植先生にすら、白蓮ちゃんがいたことに気づかないこともあったかなあ」
「優秀なのに影が薄いのですか……不憫ですね」
愛紗ちゃんの言う通りかもしれない。
「あと、馬が大好きでね。馬を使わせると本当に上手だったよ。私が知る限りだと、馬で白蓮ちゃんに勝てる人ってほとんどいないと思うよ」
「なるほど……性格はどうかな?」
「うーん……気さくで、面倒見はすごくよかったと思う。影が薄いことをいっつも気にしていたけど……あ、あと”普通”って言葉に、すごく敏感だったかな?」
「ふむ……」
盾二さんは、顎に手を当てて思案しているみたい。
「そうだな……聞く限りだと、そのまま訪ねたほうが問題がない様に思えるな。それだけ気さくな人なら、逆に気を使われると不快に思うかもしれない。下手に飾らないほうがいいんじゃないか?」
「……そうかもしれんな」
「無理に自分達を高く売り込もうとすると、見透かされる可能性もある。そつなくこなすということは、弱点がないってことだ。あまり飾らず『ありのままで力になりにきた』という方が、相手に喜ばれる気がするのだが……どうだろうか?」
盾二さんは、そういって私たちを見回す。
「……そうだな。その通りかもしれん」
「うん! 白蓮ちゃんなら、きっと私たちが手伝いに来たってだけで喜んでくれると思うよ!」
「鈴々もそう思うのだ!」
私も、愛紗ちゃんも鈴々ちゃんも、盾二さんの意見に賛成する。
うん、やっぱり友達だもん。
変に自分を飾らずにありのままで話すべきだよね!
「じゃあ、決まりだ」
―― 盾二 side ――
四人で今後の方針を決めた次の日、城の城門で公孫賛に面会を申し込んだ。
俺達の肩書きは、あくまで”公孫賛の友人である劉備とその仲間”である。
だが、それが功を奏したのだろうか。
さほど待たずに面会が許され、玉座
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