立志の章
第4話 「そしてなんとなんと! 北郷盾二さんは……管輅ちゃんのいう天の御遣いだよ!」
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―― 劉備 side 北平 ――
盾二さんが仲間になってくれたことを愛紗ちゃんと鈴々ちゃんに伝えると、二人とも快く迎え入れてくれました。
「……一刀のことは以上だ。現状ではいつ目が覚めるかわからない……手を尽くしてくれたのにすまないな」
「なにをいう……貴殿が謝ることではなかろう。しかし、そうするとこれからどうしたものか……」
「そうだよね……いつまでもこのままってわけにも行かないだろうし」
私の言葉に、盾二さんも愛紗さんも頷く。
お金はともかく、このままここに居続けても一刀さんの回復の見込みも、私たちの志も動かない。
「にゃ〜とりあえず、なにをしたらいいのだ?」
鈴々ちゃんがいっているのは、”これから”のことかな?
「そうですね……とりあえず我々がここで燻っていても何も動きません。賊の討伐なり、仕官するなり行動を起こさないと……」
「そうだねぇ……あ!」
私の大声に、何事!? という顔をする三人。
「そうだ! ここ、北平だよね! 確か白蓮ちゃんが、ここに赴任するっていってたよ!」
「……それは真名かな? 誰のことだい?」
あ、そか。
盾二さんだけでなく愛紗ちゃんたちも知らなかったよね。
「えーと、公孫賛っていうの。私とおなじ盧植先生の門下の人で、真名も交換しあった友達だよ!」
「公孫賛……たしか白馬長史と言われる方ですね。馬の扱いに非凡な力を持つと聞いたことがあります」
「そう、それ! 白蓮ちゃんはちょっと影が薄いけど、とてもいい人だったんだよ! きっと私たちも受け入れてくれると思うんだ」
「お姉ちゃん、ちょっとひどいのだ」
え〜ひどくないよ、鈴々ちゃん。
多分、会えばみんなそう思うよ。
「公孫賛ね……まあ、桃香が友達というなら、そこで厄介になるのがいいかもしれない。ここを治めているなら、現状の情報とかそこで手に入れられるだろうしな」
「うんうん! じゃあ、決まりだね!」
やったー、白蓮ちゃんに会えるね!
「しかし……手ぶらで行ってよろしいのでしょうか?」
「? どういうこと、愛紗ちゃん?」
「いえ、相手は仮にもこの辺りの太守。いくら桃香様が昔のご友人としても、なんらかの手土産があったほうがよろしいのではないでしょうか?」
「手土産?」
土産といってもどこかで買ってきたわけじゃないし……ここの太守に地元のお土産なんか持っていっていいのかな?
「にゃ!? なにか食べ物でも持っていけばいいのか?」
「鈴々……そういう意味ではない。『おみやげ』でなく『てみやげ』だ。兵なり、賊の討伐の報告なり……そういった、太守が『こちらを受け入れやすい』実績、のことだ」
「あ、お土産
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