ファントム・バレット編
ファストバレット
ISLラグナロク
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勝で出し惜しみは無しだ。もし出会ったなら用意した幾つかの隠し玉を使い、全力で戦うつもりだ。そのために《死銃》の早期退場は絶対条件だ。
その時、
―――ザッ
「…………っ!!」
俺の隠れている民家の入り口からにゅい、と銃口が入ってくる。
次いで、そろそろとプレイヤー本人が民家に体を入れてくる。
どうやらここに俺が隠れているのに気がついた訳ではなく、偶然にも潜伏場所を鉢合わせただけなようだ。
(……危ねぇ……)
腰から一撃必殺のダブル・イーグルを引き抜きながら物陰からすっ、と姿を晒す。
「おわぁ……!?」
「ドンマイ!!」
―ドォン!!
狙ったのはプレイヤー本人ではなく、得物のショットガン。こうゆい散弾タイプの銃は屋内においては中々に厄介だ。
弾丸はトリガーを破壊し、ついでに手に微量のダメージを負わした。直後、銀光が閃き、対弾アーマーを長めのしかし異様に薄く出来たコンバットナイフが貫通し、急所の心臓を突き刺す。
決して安価ではない、頑丈なそれをいとも容易く。
――システム外スキル《鎧貫し》
「な……ん、だと?」
「はい、お疲れ」
どさっ、と倒れる名も知らぬ襲撃者を労い、直ぐ様移動を開始する。これ以上プレイヤーが近くに居るという確証は無かったが、銃声を聞き付けて寄ってくるのは言うまでも無いだろう。
「まあ、性能はそこそこだな。ハンニャにちゃんと礼を言っておこう」
刃渡り15センチ弱のコンバットナイフを再びマントの下に隠すと、レイは森林地帯に向けて移動を始めた。
_________________________________________
15分後。サテライト・スキャンにより、キリトが無事に草原地帯を疾駆しているのを確認すると、俺は森林地帯で潜伏を再開した。
無論、プレイヤー全員にこの位置を知られているのだが、動こうとはしない。レイにとって最優先すべきはキリトとの合流であり、優勝ではないからだ。
しかし、その行動は同時に全プレイヤーに対する挑発だった。すなわち、『俺は逃げも隠れもしない。掛かって来い』という。
さらに、彼の目的はそれだけではなかった。
森林地帯、及びその付近にいるプレイヤーは彼を含めて3人。
《レイ》、《シシガネ》、そして《シノン》。
大会前にハンニャの元へ頼んでおいた装備を受け取り次いでに本戦進出者の情報を聞いてみた結果、昨日、キリトが助けてもらった女の子がそこそこ有名な《狙撃手》だということが判明したのだ。
つまり、昨日キリトが帰り際に言った『シノンとの再戦』の勃発を邪魔―――もとい、後回しにしてもらうためにこうしてわざわざ狙
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