ファントム・バレット編
ファストバレット
ISLラグナロク
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のエントランスに向かって歩いて行った。
昨日と同じ病室に入ると、2つあるベットの内、1つはもう埋まっていて、和人が既にダイブしていた。
「やぁ螢君」
「こんにちは、先輩」
昨日と同じく堅焼き煎餅をかじりながら、今回は電子ペーパーで何かを読んでいるようだった。
「何か、ありましたか?」
その様子に見覚えがあった俺は少し迷った末に訊ねた。
「ん……?」
「先輩、昔から悩み事があるとそれを誤魔化そうとして同時進行で色々始めますから。……電子ペーパーに煎餅の粉末は避けた方がいいです」
安岐ナースは一瞬面喰らったようにキョトンとして、次いで苦笑すると電子ペーパーをしまった。
「よく覚えているわね。……もしかして私のストーカーだったりした?」
「なに人聞きの悪いこと言ってるんですか。藍原先輩と安岐先輩は似ていますから。クセまで同じぐらいに」
「そ、そうかな?」
人を喰ったような性格をしている彼女にしては珍しく頬を掻きながら目を泳がせる。
「それで?いったいどうしたんですか?」
「うん……。桐ヶ谷君ね……SAOで人を殺してしまったのを悩んでいたの。私、そうしなきゃいけなかったのは、誰かを助けるためだったんじゃないかと思って、そう言ってあげたんだ。助けた人を思い浮かべることで、自分も助ける権利があるって……」
「……すばらしいですね」
「……そうかな?」
「ええ。今、俺を待たずに向こうに行っているのが証拠です。アイツはもう、戦えます」
「だったら、良かったのかな……」
人にものを教えるさじ加減と言うのは往々にして難しいものだ。今のように不安に思うこともあるのだろう。
少なくとも俺には安岐先輩が和人に言った言葉以上の事を言う自信は無かった。
「じゃ、行ってきます」
「よろしくね。桐ヶ谷君のこと。……って私が言うことじゃ無いけど」
「了解です。―――リンク・スタート」
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午後8時。
決戦の舞台《ISLラグナロク》に同時に転送された30人が思い思いに行動を開始した直後、レイは田園地帯のとある民家に潜伏した。
試合開始前にキリトと合流し、今後の方針を話した。
まずはフィールドで合流は最優先。そのために最初の15分は無理に動かず、目視の発見を避けるために手近な場所に隠れて《サテライト・スキャン》を待つ。
本当の事は分からないが、実際にそういうふうにするプレイヤーは多いのではないかと思われた。
(……アイツなら最初から動いてそうだけどな)
昨日の決勝で戦ったアサルトライフル使いの顔を思い浮かべながらニヤリと笑う。
決
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