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Monster Hunter ―残影の竜騎士―
10 「銀の太刀、群青の弓」
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ニャ!! ちょ、ちょっと間違えただけニャ! 兎に角行くニャ!」

 真っ赤になった顔を見られないように(といっても隠密の黒毛なので大して差はわからないが)、ルイーズが滝の向こう側に身を投げた。
 一般的にアイルーやメラルーといった種族は、こういった大きな段差やエリア移動においては地下に穴を掘っていくというハンターとしては卑怯とも言えるような方法を用いる。が、存外綺麗好きなルイーズとしては穴を掘って土まみれになるのが嫌らしく(特に渓流の土は柔らかく湿っている為)、普通に飛び降りたり、その小さな身体で断崖絶壁をナギと共に登ってきたりするのが今では当たり前となっていた。改めて見ると、なかなかどうしてすごいヤツだ。
 HR1と聞いたし、まだ新米だから孤島フィールドにも行ったことはないのだろう。たたらを踏んでいるリーゼを見て、ぼそぼそと口を開いた。

「…リーゼロッテ、ちゃん」
「え、あ、はい!」

 今までほとんど「ああ」とか「うん」とかしか喋っていなかったナギが、まさか自分に話しかけるとは思わなかったのだろう。びくっと肩を揺らしながらリーゼロッテが振り返った。そっとこちらを伺い見る彼女の視線から逃れるように、視線を滝の向こうのエリアにむける。浅瀬の河原にはジャギィとジャギィノスが計4体、水浴びをしていた。
 ……目をそらしたのは取って付けたかのような「ちゃん」に気恥ずかしくなったからだなんて、誰にも言えない。
 ルイーズはどうなったかと木の枝に手をかけて下を覗き込むと、ちゃんと受身をとって着地したらしく、となりのエリアに向かうギリギリの川岸でブルブルと身を震わせて水気を飛ばしていた。隠密の毛色のメラルーだけあって、岩と岩の影になるところに行くと、ジャギィ達も気づかないようだ。
 名を呼んだのに放置されていたリーゼロッテが訝しむようにこちらに視線を向けている。ナギはあくまでジャギィ達を見続けながら背中の弓に手をかけた。

「…飛び降りられないか」
「っ!」

 リーゼロッテは憤慨した。ちらりと滝の下を見、すぐそばにある木の根を見、高低差を換算する。何せ今まで自分が最も高く飛んだのは、エリア3の崖の高さなのだ。いや、あれは崖というには小さすぎるが、それでもあれを飛び降りるだけで足はジンジンするし、最初は足を捻挫したり手を突き指したりと大変だった。今ではもう大丈夫だが、それでも足のしびれは若干ある。
 だから、こんなに高いところなんて無理、絶対無理。と、思っていたのだが……

(呆れてるの? こんな高さも飛び降りれないなんて!)

 この青年に、そう思われるのは嫌だった。
 当の青年(ナギ)は単に無理なら回り道するつもりだったのだが、微妙な気遣いは通じない。

「お、降りれます!」

 ぎゅっとこぶしを握って下を見
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