神器
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「見てください。・・・完全に死滅した筈の細胞が、ユックリと再生しているんです。」
全身の皮膚が焼けた筈の護堂の体が、包帯越しにでも分かる程に発光している。傷口が、まるで蠢くかのように、黒い何かによって覆われていく様子も映し出されていた。
「再生能力・・・かしら?」
「いえ、多分コレは、副産物のような能力だと思います。この神器の本当の能力は、全く違う物だと、霊視では感じました。・・・ただ、私の能力ではコレが限界でした。」
「そう。・・・有難う。」
「いえ・・・。」
報告は終わったと、去っていく魔女の姿を見ながら、エリカは溜息を吐いた。窓を見ると、既に綺麗な星空が見える時間へと変わっていた。
彼女は、護堂の病室へと入り、彼のベットの近くにある椅子へと座り、
「御免なさい。私には、これしか出来ないわ。」
そう言って、どれほどの効果があるかは分からないが、回復魔術を使用する。
・・・彼女たちにとって、人生で一番長いと感じた一日が、終を迎えようとしていた。
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