第ニ話「勘違いのお年頃」
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にはアストレアの姿があった。
「おお、アストレアか! いやなに、迸るパトスの赴くままに行動していただけさ。それよりどうだ? 俺のこの姿は!」
バッ! と自分なりに思う格好いいポーズを決める。完璧だ。今の俺の背には後光が刺していることだろう。
(さあ、俺を褒め称えるがいい……!)
鼻高々で聴覚に全神経を集中させる。
きょとんとした目で見つめてきたアストレアは――。
「ぷぷっ」
盛大に吹いた。
「あは、あははははははっ! な、なんですかそれ! バッて、バッて……! ぷくくぅ――!」
「――」
腹を抱えて笑うアストレア。時が止まる音を確かに聞こえた。
「はー、変なマスター」
その一言が俺の心を撃ち抜いた。
「へ、変か……?」
「うん、すごく変。というか気持ち悪いんだけど! ぷぷっ……!」
似合ってるけどマスターのテンションが気持ち悪い、との言葉は耳に入ってこなかった。
両手と両膝を床につき打ち拉がれる俺。
(とんだ勘違い野郎だったのか……)
恐らくニンフたちは社交辞令のつもりで格好いいと言ってくれたのだろう。それを真に受けてはしゃいだ俺って……!
「穴があったら入りたい……」
「――?」
羞恥に身を悶え自分自身に絶望する俺であった。
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