第ニ話「勘違いのお年頃」
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さてと、他に誰かいるかな〜」
ニンフに引き続きタナトスにまで格好いい発言を貰った俺の気分は有頂天。鼻歌まで歌っちゃうぜ!
すれ違うオレガノたちが不思議そうな目で俺を見てくるが、そんなの気にしない。だってアルカインだもの! ……いかん、ちょっと気分が高揚し過ぎて思考回路が愉快なことになっている。落ち着け俺。
深呼吸をして気持ちを落ち着かせていると、視界に見覚えのあるピンクが移った。
「……マスター」
「ん? おー、イカロスか」
そこには何故か箒を持ったイカロスが立っており、せっせと地面を掃きながら俺の顔を凝視していた。
「なにしてんの?」
「……掃除を」
「ああ、手伝ってるのね。自分から手伝うなんて偉いなイカロスは。ご褒美にナデナデしてあげよう」
「あ……」
イカロスの頭を優しく撫でる。サラサラの髪は絹のように手触りがよく、いつまでも触っていたい気持ちに駆られた。
不思議そうな顔で俺を見上げる彼女の頭から、鉄の意志で手を引き剥がす。
「……マスター、髪切った?」
コテンと首を傾げるイカロス。よくぞ聞いてくれましたとばかりに髪をかき上げた。
「おお。いい加減鬱陶しかったからな、バッサリやったぜ。切ってくれたのはニンフだけど」
どうよ、と服も兼ねて訊いてみると、いつもの無表情でコクンと大きく頷いた。こうして見るとイカロスの無表情って本当、オレガノにそっくりだなぁ。いや、オレガノがイカロスにそっくりなのか。どことなく愛嬌があるところが特にそっくりだ。オレガノってイカロスをベースにしてるのかな。姉妹設定? ハーピーと被るじゃん。
(まあ、可愛いから細かいことは気にしないけどな!)
「んじゃ、掃除がんばれよ!」
「……」
ピッと親指を立ててエールを送るとイカロスも表情を変えずにサムズアップした。なんだかんだでノリが良いαちゃんだ。
機嫌上々でイカロスと別れた俺は鼻歌を歌いながら、いつの間にか廊下をスキップしながら移動していた。
(ニンフやタナトス、イカロスにまでお墨付きを貰えるなんて、俺ってイケてる?)
先程からニヤニヤが止まらない。鏡を見ればさぞや締まりのない顔をしているだろう。
「むふっ」
「――!?」
すれ違う男がビクッと震える。
通りすがる男たちが俺を見ては驚愕のあまりに絶句する。とうとう同性までもを魅了するようになってしまったか……。なんて罪作りな俺!
「マスター! 何してるんですか?」
得意の絶頂だった俺に話し掛けてくる者が一人。振り替えればそこ
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