第十六話
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「誠兄ッ!!」
誠兄が左脇腹から血を流しながらゆっくりと倒れた。
「あれ? もう死んだの? つまんなぁい」
……誠兄に駆け寄ろうとした時、金髪の少女――フランとか言うのがそんな事を呟いた。
「……今……何て言った?」
「うん?」
「今、何て言ったって言ってるのよ」
「つまんないと言ったのよ」
「……死にたいようねッ!!」
駄目ね、怒りの感情を押さえきれないわ。
「フランッ!! 何故此処にいるッ!!」
「あらお姉様。私が此処にいちゃ駄目なの?」
レミリアがそう叫び、フランはそう言い返した。ちなみに誠兄には隣にいた執事が看護している。
「地下室に戻りなさい」
「嫌よ。もう地下室にいるのはこりごりなのよ」
「地下室に戻りなさいッ!!」
レミリアがそう叫ぶ。ところでもう夢想封印していいかしら?
「それともお姉様、私と遊んで『圧』ッ!?」
その瞬間、フランは両腕を交差して地面に倒れた。
『ッ!?』
「ガ……」
だんだんとフランが地面にめり込んでいくけど……これはまさかッ!!
「誠兄……?」
誠兄のところに振り返ると、そこには確かに誠兄が立っていた。
……立っていたけど、誠兄の周囲に黒い霧みたいなのが漂っている。
「誠……お前……祓えてないのか?」
「祓えてない?」
誠兄を看護していた執事がそう呟いていた。
「ちょ、ちょっと、祓えてないって一体……「アアアァァァァァッ!!」ッ!?」
その時、地面にめり込んでいたフランが自力で立ち上がった。
「なんだ……死んでないじゃない。なら……今度こそ死なせてあげるッ!!」
「誠兄ッ!!」
フランが飛行して誠兄に向かう。誠兄は何時ものように舌を出した。
「『凍』」
『ッ!?』
一瞬で紅魔館が凍り、それに驚いたフランが止まる。
「『氷柱』」
「くッ!?」
誠兄はそれを見逃さずに氷柱でフランを攻撃する。フランが両腕で頭と心臓に当たらないよう防御してるけど、誠兄は一気にフランの目の前まで走って……フランを殴った。
「ぐぅッ!!」
倒れたフランに誠兄が乗っかってそのままフランを殴り続ける……ってそれは駄目よッ!!
「止めろ誠ッ!! もう妹様は戦意を失っているッ!!」
「止めなさいッ!! 私が謝るからもう止めてッ!!」
「『縄』」
『ッ!?』
誠兄が縄を出して私達を縛った。てか私もなの?
そしてそのまま誠兄はフランを殴り続ける。
「恋符『マスタースパーク』ッ!!」
「魔理沙ッ!!」
その時、私達と同じ
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