16部分:第四幕その三
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ネーナに声をかけた。
「そして我が民達よ」
次にそこにいる全ての者に彼は声をかけた。その目には王者の光が宿り炎の如き赤い馬に乗るその身体には紅の王の衣とマント、そして王冠があった。アビガイッレのそれよりも遥かに威厳に満ちてそこにあった。
「止めよ、愚かなことは」
「何を言われる」
だがアビガイッレはそんな父に対して言い返す。
「今私はここに言おう」
彼はアビガイッレを見据え返して宣言してきた。
「ヘブライの者達よ、帰るがいい」
「何っ」
「今何と」
「聞こえなかったか、シオンの地に帰れと言ったのだ」
ナブッコはそれを言い伝えた。
「そなた達の土地にな。よいな」
「宜しいのですね」
「うむ」
答えたうえで頷く。
「そなた達の心は受けた。今それに対して王としての言葉を返す」
「何ということだ」
「今まで神に殉ずると決めていたのに」
「これもまた運命か」
ザッカーリアは感慨を込めて呟いた・
「神の定められた運命なのか」
「そしてだ」
その目は相変わらずアビガイッレを見ていた。
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