第三章 聖杯大戦編
第七十七話 『総力戦。ネロの決死の一騎打ち』
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
かしその代償としてセイバーの攻撃によりネロは袈裟切りに切られていた。
「ッ………」
「ふっ…まさか、この私がやられるとはな…お前の勝ちだ、セイバー…。
…ああ、これでまたあのカムランの丘に戻ることになるのだな…。まぁ、それもまたよかろう…」
そうしてセイバーは消滅した。
そしてネロも切られた致命傷でその場に崩れ倒れた。
劇場も崩壊していきシホはすぐにネロの下へと向かった。
「ネロ…!!」
「………」
ネロは目を閉じて無言。
エクスカリバーで切り裂かれたのだ。体がまだ繋がっているのが儲けものだが真っ赤な衣装がネロの血によってさらに真っ赤に染まる。
それでもシホは目に涙を浮かべながら治癒魔術をかけ続けて必死にネロへと呼びかける。
「ネロ! 死んじゃダメよ! あなたとはこれからも一緒に生きていきたいんだから! だから、死ぬな!!」
「シホちゃん…」
シホのあまりの必死の姿になのは達が涙を浮かべる。
「令呪によって…!」
そこでとうとうシホは令呪でネロの魂を呼び戻そうとするが、それはネロの震える手で遮られた。
「…天よ…。今一度の、祝福を…」
掠れた声だがその声はネロから確かに聞こえてきた。
「ネロ…?」
次の瞬間、ネロの体が発光しだしセイバーにやられた傷がみるみるうちに塞がっていく。
シホはまだ知らないことだがこれこそネロのもう一つの宝具。
『三度、落陽を迎えても』。
これはネロが自害した三日後、一人の兵士がネロの亡骸におそるおそる外套をかけると、死亡したはずのネロが突如起き上がり、『遅かったな。だが、大儀である』と、最後の言葉を遺したと言う。
これが逸話となり宝具にまで昇華し、ただ一度だけの蘇生を可能とする奇跡の宝具だ。
「…奏者よ。余も、そなたと、生きていきたい…。だから決して余から、離れるな…?」
「ネロ…!!」
シホは感極まってネロを思いっきり抱きしめた。
その目から涙が幾度も流れ出している。
ユニゾン・アウトしたアルトリアもそこに加わり三人で抱きしめ合う。
ネロの瞳からも涙が一筋流れた。
なのは達もそれで貰い泣きをしているほどであった。
「そんな…セイバーがやられるなんて…僕は…!」
だがそんな感動的な光景とは対照的にノアはまさかセイバーが敗れるとは思っていなかったのかひどく狼狽えている。
シホは一度流した涙を袖で拭き取り、ノアに向かって立ち上がり、
「ノア…あなたの負けよ。降伏しなさい…」
「まだだ! まだ僕には小聖杯という存在意義がある! だからこんなところで終わるわけがない!」
「―――そうだ、ノア。お前にはまだ利用価値がある」
ドスッ!
「………あっ………」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ