第三章 聖杯大戦編
第七十六話 『光と影の人達の想い』
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「聖杯と私のことを知っているのか。その者の名は…?」
「すみません、聞き忘れました…。でもイリヤスフィールお嬢様にそっくりな外見でした」
「ほう…? アインツベルンの少女とか…」
師匠はそれで少し考え込む仕草をして、
「わかった。私の方でも少し手をつけて調べてみよう。その少女のことを…」
「わかりました」
それからしばらくして師匠はその子の名前を入手してきました。
「ははは。驚け、ノアよ」
「どうしたのですか、師匠…?」
「いや、なにね。彼女の名前がわかったのだよ」
「名前が? それのどこかおかしいところがあったんですか?」
「ああ。彼女の名前は“シホ・E・シュバインオーグ”…いや、今は“シホ・E・S・高町”だったか?」
シホ・E・S・高町…。
それが僕の心を揺さぶった少女の名。
「その名前の中に彼のシュバインオーグが入っていることにも驚いたが、彼女の最初のファミリーネームはE…つまりエミヤ…。
これが意味することは私を過去に倒した衛宮切嗣、そして今度は私が倒すことになった衛宮士郎に次ぐ新たなエミヤなのだよ。
くくく…これだから平行世界は面白い。またしても私に歯向かってくるものがエミヤだとは…。実に彼女の心の傷を暴いてみたい…」
師匠は実に楽しそうにそう語る。
でも、僕にとってそんな事はどうでもよかった。
僕の心を揺さぶる存在…シホ・E・S・高町。
彼女とまた会えれば僕は何を思うのだろう?
そしてそれから僕たちの陣営である仲間…いやこの場合は聖杯の生贄という駒と呼べる人達が次々と敗れていっている。
最初に敗れたのは三菱彩。
次はミゼ・フローリアン。
そしてアクア・アトランティーク。
最後にトーラス・スタリオン。
全員サーヴァントは敗れてしまったらしい。
「これで聖杯大戦で残された私達の陣営はノアと私だけになったな。まぁ、あいつらには期待はしていなかったがな…」
師匠はつまらなそうに顔をしかめてそう下す。
「まぁ、私とノア、我らがいれば大丈夫だろう。順調に聖杯に魂も流れているのだからな」
そう。僕の小聖杯にはもう四体ものサーヴァントの魂が流れ込んできている。
でも、まだ動ける。
僕の体は十四体魂を収めておけるように改造されているから。
まだ手足の感覚はある。
だからまだ戦える。
そして僕も間近で見るんだ。聖杯が降臨する様を。
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