第三章 聖杯大戦編
第七十六話 『光と影の人達の想い』
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嬢様がかの冬木の地へとセラとリーズリットを連れて旅立っていった。
僕にもイリヤスフィールお嬢様の予備として小聖杯としての機能を埋め込まれていたけど使われる機会は多分ないだろう。
そう、思っていた。
だけど、それは第五次聖杯戦争でお嬢様が敗れたという話を聞いてから僕は思った。
もしかしたら僕にも出番はあるのではないかと…。
そんな事を思っている時だった。
世界中はいきなり出現した謎の泥によって汚染されていきアインツベルンの領地だった場所も例外なく飲み込んだ。
他のホムンクルス達もどんどんと飲み込まれていきとうとう僕も飲み込もうとしてきた。
そして泥に飲まれそこで僕は様々な悪意を見た。
「これは…」
普通なら気が狂ってもおかしくないと思える程の絶望が溢れているはずだった。
でも自然と僕はそれを受け入れていた。
そうしてしばらく経ち泥はいつの間にか消え失せていた。
代わりに僕の目の前には一人の神父が立っていた。
「…祝福しよう。聖杯の泥に耐え切ったものよ。そして小聖杯の器を持つ者よ」
神父さんはそう言って僕の手を握ってきた。
なにがそんなに楽しそうなのか聞いてみた。
しかし逆に質問をされた。
「なぜそんなに楽しそうなのか…?」
そんな事を聞かれた。
楽しそう…?
僕が…?
手で顔をなぞってみると確かに僕は笑みを浮かべていた。
それに神父さんは何かを思ったのか…、
「…ふむ。よもや私以外にもこのような者が生まれるとはな…」
「…どうしたの? そんなに笑みを浮かべて…」
「楽しいのだよ。かつての私と同じ空虚の心を持ち合わせているものと出会えたのだから…」
「空虚…」
「どうだね? 私とともに新たな世界でまた戦いをしたいと思わないかね?」
「戦い…」
「君はそのために生み出されたのだろう…?」
「うん。僕は小聖杯として生み出されたホムンクルス…」
「ならばもう君は私の同士だ。さぁ、新たな世界で再びこの世界を再現しようではないか…」
「今のこの世界は楽しい…?」
「…いや、もうこの世界には私の楽しみは消えてしまったのだよ。
そして私の疑問も解消できないまま世界は滅びた。
だから目指すは新世界だ。そこで新たな聖杯戦争…いや、聖杯大戦を起こさないかね?」
「……………僕の存在意義。それを叶えてくれるなら僕はついていきます、神父さん」
「ふふふ…よろしく頼む。よければお前に名をやろう。…そうだな、ノア・ホライゾンという名はどうだ?」
「…ノア・ホライゾン…それが僕の名前…」
僕が名前をもらったところでそこに新たな人の気配を感じた。
「ふん…。言峰、我はもうこの世界は飽きたぞ? 何もなくなってしまったのだからな。王の次の居場所を選定しようではないか」
そこに
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