第三章 聖杯大戦編
第七十四話 『聖王と覇王の戦場』
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く聞こえてくる雄叫び。
気づけば私とオリヴィエさんとクラウスさん以外は誰もいませんでした。
これには覚えがあります。
シホちゃんの使った固有結界と似ていた。
「これぞ僕の宝具…固有結界『覇王の聖域』だ」
「覇王の聖域…」
「この中では僕のステータスはアップする。そして…!」
クラウスさんの覇気が私達を襲ってきてオリヴィエさんは一度片膝をつき、
「まさか…対象のパラメーターのダウン、ですか」
「そう…そしてこの空間が発動されている間は誰も宝具の開帳は一切できない。宝具封じの固有結界だ。……………さぁ、オリヴィエ。正々堂々とまではいかずとも戦おうじゃないか」
「クラウス…そこまでして私に勝ちたいのですか…?」
「ああ。僕は生涯君に勝てなかったことを、守れなかったことを悔やみ、ひたすら修練を重ねて鍛えて鍛えて鍛えぬきとうとう覇王と呼ばれるようになった。
だがそれでも僕の心の渇きは満たされなかった…。ゆえに、僕は君に勝って今度こそ本当の覇王になる…」
「そうですか…。もう、引き返せないのですね、クラウス」
「ああ。退路はない。ここが僕とオリヴィエの最後の戦いだ」
「わかりました。ならば私はそのあなたの気持ちに答えましょう。いきます!」
パラメーターがダウンしているというのにオリヴィエさんはクラウスさんに向かって行ってしまいました。
私ができることは、
「オリヴィエさん! 最初の令呪に命じます! 今出せる最高の力を発揮してください!」
それによって私の令呪が一画消え失せました。
でも、ここが勝負どころだと思ったから…!
そしてそれによってオリヴィエさんは体に力が戻ってきたようで、
「感謝します、なのは。これでクラウスと同等に戦えます! いきますよ、クラウス!!」
「応!!」
そこから二人は両手を振り拳をぶつけ合いました。
その拳速はすでにランサーさんの戦いの時と同じくらいのスピードを出しています。
武器がなかった昔の時代からの純粋な決闘方法。
それを私は今垣間見ています。
そして次第に両者とも顔や体にも拳を受けてダメージを負ってきています。
「やりますね、クラウス…。さすが私と武を競い合った友です」
「そちらこそ、オリヴィエ。僕はオリヴィエがゆりかごに消えていった後も鍛えていたというのにそれに追いついてくるとは…」
「これでも聖王の意地がありますから」
「こちらとて覇王の意地がある」
「どっちもどっちですね…」
「ああ…実に楽しい。いつまでもこの戦いを続けていたいと思うほどに…。ですが、僕にはそれ以上にマスターを助けたいという意思がある。だから…」
クラウスさんは拳を構えて足場をがっちりと固定しました。
なにかくる…!
私は直感でそう思いました。
「
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