第三章 聖杯大戦編
第七十二話 『ランサーの覚悟の戦い』
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「ええ。そうよ、フェイト。その目にしっかりと刻みつけときなさい。ランサーの勇姿を…! そして勝ちを!」
「私達はいっさい入れない空間、だね…!」
「そうですね、なのは! あれはランサー同士だからこそできる芸当でしょう!」
「双方とももっとぶつかり合うが良い! 余はこの勝負、どんな結末だろうと受け入れようぞ!」
「ランサー…! あなたの勝利を祈っています!」
私達の会話を聞く時間も惜しむかのようにランサーとディルムッドはそのしのぎを削っていく。
もう二人にはきっとお互いの事しか見えていないのだろう。
実にいい笑みを二人共顔に浮かべている。
そして戦いは終盤に入ったかのように、両者とも体中から血を流し息切れを起こしている。
「はぁ、はぁ…ディルムッドよ。俺の全力にここまで応えてくれて、サンキューな?」
「俺■方こ■…ここ■での命■削り合■は、初めて■…!」
「俺の方はもうあと少しでギアが切れる…」
「こちら■そ…」
「最後に一花咲かせようぜ?」
「■■■■■ーーー!!」
ディルムッドは答える代わりに雄叫びを上げた。
「いざ! いくぜ! これが、最後の最後だ!!」
「ゆ■ぞ!!」
二人の槍に魔力が集まっていく。
最後のぶつかり合いをしようというのだろう。
「受けやがれ! 刺し穿つ死棘の槍!!」
「すべ■を打ち払■! 破魔の紅薔薇!!」
同時に二人の槍はお互いの心臓へと迫る。
そして、
ズドンッ!
二人は同時に動きを止め立ち尽くす。
先程までの槍同士の衝突し合いかち合う音が響きあう苛烈な激闘が嘘のようにあたり一帯が静かになる。
しばらく二人はそのままで動こうとしない。
しかし、
「俺の、負けだ…」
「俺の、勝ちだぜ…!!」
ディルムッドのゲイ・ジャルグはランサーの胸には命中せず脇の間をギリギリ通り過ぎ、逆にランサーのゲイ・ボルグはその真価を大いに発揮しディルムッドの心臓を見事貫いて体の内部をゲイ・ボルグを中心に棘が幾重にも突き出し破壊していた。
◆◇―――――――――◇◆
Side ミゼ・フローリアン
「ぐはっ…!」
「ディルムッド様…!」
ディルムッド様が敵のランサーの手によって心臓を貫かれて吐血をする。
私は思わずディルムッド様に駆け寄ろうとするが、でもディルムッド様は負けたというのに爽やかな笑みを最後まで浮かべていた。
「…マスターよ。俺はここまでだ…しかし悔いはない。最後の最後で心に残る死闘ができたのだから…」
ディルムッド様はもう今までの言葉のノイズもなく普通に私に話しかけてくる。
でも、でも! 私はあなたと一緒に暮らしていきたいというのに…!
消えないでく
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