第三章 聖杯大戦編
第六十九話 『幕間 ランサーとバーサーカーのマスター』
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ら惰眠な生活を過ごすようになり私はあまり外に出なくなった。
そんな刺激もなにもないくだらない日々を過ごしているときだった。
一人の神父が私の家にやってきたのは…。
「ミゼ・フローリアンだな…?」
「えぇ。そうですけどあなたは…?」
「私は言峰綺礼。おまえの悩みを解き放ちにきたものだ」
最初は何を言っているのだろうと疑心の目を向けた。
しかし言峰綺礼は私が抱えている劣等感をすぐに見抜いてきた。鋭い言葉で私の心を抉り古傷を幾度も開いてきた。
それを聞くたびに私は目の前の男に怒りを感じはじめて、
「なによ! あんたなんかに私の気持ちなんか分からないわよ! 放っておいてよ!」
「いや? 分かるつもりだ。私は神父であり迷える子羊を導くことをしている。
…して、ミゼ・フローリアンよ。まわりのものを見返したいと思わないかね…?」
「見返したい…? それは無理よ。私には才能がない…だからどんなに頑張って努力しても腕のたつ魔導師には決して敵わない。ダメなのよ…」
「そんなことはない。ミゼ・フローリアン…君には才能がある。“魔術”の才能がな」
魔術…? 魔法と何が違うっていうのよ?
それにそんな胡散臭そうなものの才能があるといわれてもいまいちピンとこないわよ。
だが言峰綺礼はその顔にまるで引きずり込まれるような底なしみたいな笑みを浮かべて、
「私が教授してやろう。そしてともに戦おうではないか」
「戦うって、なにとよ…?」
「魔術師とサーヴァントというもの達でどんな願いでも叶う聖杯というものをかけた殺し合い…聖杯大戦を」
「聖杯大戦…」
その話を振られて久しく私の心のなかの刺激をくすぶられる思いになった。
そして話は進められて、
「…本当にどんな願いでもかなうの?」
「ああ。君が望むのならばどんな願いだろうと…」
「そう…」
そして私は願った。私を今まで落ちこぼれと見下してきた奴らを見返してやりたいと…!
絶大な力をこの手にしたいと!
私の願いを聞いた言峰綺礼という男はまた深い笑みを浮かべ、
「喜べ、ミゼ・フローリアン。君にはマスターの資格がある。その右手に宿った令呪がその証拠だ」
それで私は右手の甲を見てみた。そこには三つの刻印が手に浮かんでいた。
「これが令呪…。サーヴァントという英霊を使役するための道具」
「さぁ、さっそく唱えたまえ。魔法陣は私が用意してやろう」
「わかったわ」
私は教えてもらった呪文を覚えた後、魔法陣の前に立ち、詠唱を行った。
「抑止の輪よりきたれ、天秤の守り手よ!」
魔法陣から嵐が吹き荒れそこから一人の男性が現れた。
男は無言でこちらを見てきた。でもその途端私は胸がドキリと高鳴った。
その男性の顔を直視するとなぜか動悸が治
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