第三章 聖杯大戦編
第六十六話 『暗殺者の死闘』
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円の構えをしだす。
すると段々と李書文の体が透け始め出す。
「ぬっ!?」
それに殺人貴は警戒の色を示す。
そして完全に消えた李書文は誰の目にも映らなくなり、
「っ!」
「ひゅっ!」
突如として殺人貴の背後から李書文の拳が見舞われる。
それにおそらく直感だったのだろう、殺人貴は高速で回避する、が。
「こ、これは…!」
「ほう…左腕だけを壊したか」
見れば殺人貴の左腕はダランと下がっている。
何が起きたのかは簡単なことでただ李書文が己の拳の一撃を首の頚動脈に放つつもりが殺人貴はそれを避け損なったものの致命打にはできなかったのだ。
もしこれが命中していれば殺人貴はすでに消滅していただろう。
「透化か…やっかいな術を。だが、もう気配は読めた。右手が使えればそれだけで十分だ」
「もう儂の気配を読むと申すか? 面白いことをほざく。ならば、我が次なる一撃を交わしてみよ!」
そこから気で強化して鋼鉄と化した拳とナイフが何度も交差した。
左腕が使えないというハンデがあろうと李書文の猛攻についてこれる殺人貴の技量は確かなものなのだろう。
「ははははは! お主、なかなかやりおるではないか! やはり戦いというのはこうでなければいかんな! 血が滾ってくるわ!!」
「うるさいぞ…! 次には、殺しきる!」
殺人貴は一度拳を受け止めた後、弾いて一度ナイフをしまい右手で目を覆っている包帯を取り払う。
それによって殺気が倍以上に増したのを見学していた一同は感じる。
「アサシン! 気をつけて! 直死なんとかが来るわよ!」
「うむ。どんなものか見定めてやろうか」
アリサの注意の言葉に、しかし李書文は警戒をしながらも一度目にしてやろうという気になっている。
「その油断が命取りだ! 貴様の身体、尽く分割する!」
まるで獣が四肢を伸ばして威嚇するかのように体勢を低くしてクラウチングスタートをしようとする構えをして、
「教えてやる。これが―――………!」
「ッ!!?」
殺人貴のとてつもない殺気にアリサはものすごい悪寒に襲われて令呪のある右手をおもわず握り締める。
すぐに殺人貴は李書文へと走り出す。
「モノを殺すということだ!!」
「アサシン! 避けてーーー!!」
殺人貴のナイフが李書文の身体を通過しようとするのとほぼ同時にアリサの令呪が一画消え失せた。
それによって李書文は五体満足でなんとか助かっていた。
そしてその数秒後には李書文の体があった場所の空間にあった空気が振動を起こしていた。
「…かたじけない。アリサよ。もう少しアリサの判断が遅かったら儂の体はとうの昔に切り刻まれていただろう」
「いいわよ。それより、傷はない…?」
「なんとかなった…。しかし、
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