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【完結】剣製の魔法少女戦記
第三章 聖杯大戦編
第六十二話    『現れる兆し、現れる敵』
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薄暗い部屋の中、一人の男がなにやらミットチルダ式魔法陣でもベルカ式魔法陣でもない魔法陣を地面へと描き始める。
そして魔法陣は描かれ男はニヤリと笑みを浮かべる。
ある触媒を持ちながら魔法陣の前へと立ち、

「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公…」

男は詠唱を始めて地面に描かれる魔法陣から光が漏れ出す。

「降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。
閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する…」

魔法陣から赤き光が放たれる。

「告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄る辺に従い、この意、この理に従うならば応えよ」

魔法陣からエーテルの嵐が発生し出す。
それですでに男は手応えを感じ取っていた。
そう、呼べると!

「誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」

莫大なエーテルの嵐は部屋中に巻き起こり男はなんとか目を凝らして魔法陣から浮かび上がってくる光が人の形をなしていくのを確認する。
そして、

「…問うぞ。貴様が我を呼び出したマスターか?」

サーヴァントは今ここに顕現した。
その奇跡の業が成功したことを感じた男は手に宿った令呪を確認しながら、

「ああ。私がお前のマスターだ」
「そうか。しかし、我を呼び出そうとするとはまたとんでもないマスターだな」
「そうかね?」

呼び出された女性のサーヴァントはにやりと笑みを浮かべた。
その笑みには残虐なものが含まれていたのだった。

「しかしこれで私の願いにまた一歩近づいたことになる…。ははははははははーーーー!!」

男は盛大な笑みを浮かべた。


◆◇―――――――――◇◆


Side シホ・E・S・高町


時期は二月。
旅行でやってしまった骨折ももうギプスも外れて通常運転に戻ってしばらくたった。
私は今月村邸にいる。
なぜ月村邸かというとすずかに魔術の指南をしているからだ。
なんでわざわざすずかに魔術を教えているかというとそれは力の制御のためである。
本当は魔術回路は眠っているのなら起こさないでそのままにしておいた方がよかったのだけど…。
すずかには夜の一族の能力で魔眼があるのだ。
しかもこれは私の世界の魔術回路と繋がっている事が分かった私は慌てたものだ。実は夜の一族は魔術回路持ちだったのだ。
それですずかの魔眼の能力が結構強力でそれを無闇に発動するのを抑えるために魔術回路でオンオフを覚えさせているのが今の現状だ
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