シオンの特技A
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すると大きなため息をついた。
「はぁー。だめだ」
「なに?」
「つまらねーよ、お前との戦い」
「なんだと!?」
「聞こえなかったのか?ならもう一度言ってやる。“お前との戦いはつまらない”と言ったんだ」
クラディールは言葉を失った。
その直後、クラディールの顔は鬼の形相へと変わった。
「ふざけるな!貴様、この私を愚弄するのか!」
その言葉にシオンは頭をかきながら答えた。
「別に馬鹿にもしてねーし、愚弄もしてねーよ。そうだな、確かになんの理由も言わずにただただつまらないと言っては失礼か・・・。なら教えてやる」
そう言ってシオンはクラディールを指差すと、
「お前の剣はただ振り回しているだけのその辺の棒切れと変わらん。剣からはなにも感じない、ただ怒りに任せて振っている。これじゃあ斬れるものも斬れやしねーよ」
「黙れぇぇぇぇ!!!」
ブンッとクラディールはシオンに剣を降り下ろすと、シオンはそれを片手に持っている槍でガードした。
「貴様・・・殺す・・・絶対に殺すぞ・・・」
「・・・軽い」
「何!?」
「重みがまったく感じられない・・・。お前、そんなんで俺を殺そうだなんて・・・覚悟もねーヤローがふざけたごたく並べてんじゃねーよ!」
次の瞬間シオンは剣を弾き、武器を槍から片手剣に切り替えるとクラディールの近くまで接近し、凄まじい勢いで剣を降り下ろした。その降り下ろされた先のクラディールの剣に直撃し、その剣は真っ二つに折れ、音と共に消えてしまった。
「なっ・・・、そんな・・・」
「すげー、武器破壊だ」
「はじめて見た」
シオンは剣を鞘に納めると、クラディールを冷めた眼差しで言った。
「もういいだろ?悪いがこれ以上、お前のために無駄な時間はかけられない」
「この、貴様ァ・・・」
そこにアスナが二人の間に立ち、クラディールの方に向くと、
「クラディール、血盟騎士団副団長として命じます。本日をもって護衛役を解任。別命あるまでギルド本部にて待機。以上」
「・・・なん・・・なんだと・・・この・・・」
クラディールは目の前にいるアスナを斬りにかかりそうなくらいの睨みをきかしていた。シオンは思わず手が反応していつの間にかその手は自分の剣の柄に添えられていた。
しかし、クラディールはなんとか正気に戻りギルド本部があるグランザムへと転移していった。その場に残されたシオンたちはしばらく黙ったままだった。
「・・・ごめんなさい、嫌なことに巻き込んじゃって」
「いや・・・俺はいいけど」
「気にすんな、俺もアイツにイラッと来てたから」
「いまのギルドの空気は、ゲーム攻略だけを優先に考えてメンバーに規律を押し付
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