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国連宇宙軍奮闘記
悲しい帰還
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れたのは中尉の階級章だった。
「そうだ、このたびの火星での特別訓練、並びに謎の宇宙船の調査、国連軍はこれらの功績から貴官ら二名を中尉とする判断を下した。」
「は、有り難う御座います!」
 高須大佐に対して敬礼しながら答える。
「久しぶりの地球だろ、今日は二人ともゆっくり休め。」
「は!」
 高須大佐に言われて二人は士官室を後にした。


――地球 国連軍司令部 休憩室――


「「いたいた、おーい相原。」」
 古代と島が声をかけると相原が振り返った。
「あ、古代さんに島さんか、何か用?」
「いや、火星から帰ってきたから。」
その後世間話をした後古代が本題を切りだす。
「『ゆきかぜ』がどうなったかを調べられるか?」
「『ゆきかぜ』?」
相原が聞き返すと古代が答える。
「兄さんが乗っていたんだ。」
 ちょっと待ってというと相原が端末を操作しだす。
「『ゆきかぜ』は行方不明、古代守艦長以下26名はMIA・・・。」
MIA、すなわち戦闘中行方不明。
「おいどういう事だ、それ?」
「これしか書いてない。」
 古代が相原から端末をひったくる。
「・・・本当だ。」


――地球 地下鉄道――


「記録が無いならこれ以上は調べられないか。」
 島が言うと古代が答える。
「沖田提督に会って直に確かめる。」
「お、沖田提督に聞くってどうするんだ、どこにいるかもわからないんだぞ?」
 島が驚きながら言うと古代は冷静に言い返した。
「沖田提督は怪我をしていた、きっと司令部の病院区画に行ったんだ。」


――地球 国連軍病院 病室――

「沖田提督、兄の船はどうしたんでしょうか?」
「君は?」
「古代守の弟、古代進です。」
「古代君の!そうか…。」
「古代君は男だった。」
「え!」
「勇敢な男だった、しかし彼はもう戻ってこない。許してくれ。」
「兄さんが!」
「無駄死ににはさせん!」
「どうして兄さんを連れて帰ってくれなかったんですか、艦長」
「すまん。」
「古代、いつか宇宙に出てきっと敵を討とうぜ!」

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