第一幕その四
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ました」
「うむ」
これで決まりであった。ピツァロは納得したように頷いた。
「では行くとしおう。スコップは出しておけよ」
「はい」
ロッコは頷いてからまたピツァロに尋ねた。
「あの」
「何だ?」
「本当にやるのですね?所長」
「勿論だ」
「長い間苦しんできた罪人を」
「二年もな」
「二年」
フィデリオはピツァロのその二年という言葉を聞いて眉を動かせた。そこに何かがあるのであろうか。
「もう充分苦しんでいるのではないでしょうか。少なくとも罪の分だけは」
「罪は永遠に消えるものではない」
ピツァロは冷厳にそう返した。
「人間の犯した罪は最後の審判まで消えることはないのだ」
「ですが」
「ですがもこうしたもない」
彼はまたロッコの言葉を遮った。
(わしを脅かした罪は重いぞ)
「罪人は必ずや裁かれなくてはならないからな」
「はあ」
「わかったな。では用意しておけ」
「わかりました」
「私の方も用意をしておく。遅れるなよ」
「はい」
ピツァロは部下達を引き連れその場を後にした。ロッコもその場を去った。だがフィデリオは何故かその場に残っていた。そして彼は言った。
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