機動戦士ガンダムSEED
0175話
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タッシルの街が焼けているとの報告が入り、ムウがスカイグラスパーで出撃してから約1時間。原作知識によりタッシルが焼かれた経緯やアンドリュー・バルトフェルドの性格を知っている俺以外はヤキモキしている者も多かった。キラも同じくピリピリして、いざという時の為にストライクで待機している。俺のブリッツは予備戦力という事で取りあえずブリッジにいるのだが……そんな時に先行していたムウからの通信が入る。
「こちらフラガ。街には生存者がいる」
ザフトに焼かれた街に生存者がいる。MSの脅威を知っているアークエンジェルのブリッジクルーだからこそ、その一言に安堵の溜息を吐く。しかし次のムウからの通信でブリッジクルーの頭は疑問に包まれる事になる。
「と言うか、かなりの数の皆さんがご無事のようだぜ。こりゃあ一体、どういう事かな?」
「敵は!?」
「もう姿は無い」
マリューのその質問にもあっさりと既に敵の姿が無いと答えるムウ。
それを聞いたマリューを含むブリッジの面々は首を傾げる事になる。
「アクセル、どう思う?」
「砂漠の虎は民間人を殺すのを良しとしない、という事じゃないか?」
「その可能性は……この状況を見る限りでは高いわね」
確かこの後の原作での展開は……
「だが、このままでは済まない可能性があるな」
「え? どういう事?」
「街が焼かれてからまだそう時間は経っていない。つまりは、砂漠の虎はまだ帰還途中という事だ。おまけに街を攻撃するのに使った武器弾薬も消耗している。それを知った明けの砂漠のメンバー、特にタッシルが故郷の連中はどうすると思う?」
「まさか!?」
俺の言いたい事が分かったのだろう。マリューが信じられないといった表情で俺の方を見てくる。
だが、俺はそれに無言で首を振るだけだった。
「考えても見ろ。明けの砂漠の連中はレジスタンス……と言えば聞こえはいいが、ようは正規の軍事訓練を受けた訳じゃない、ただの民兵だ。そんな連中が感情で暴走しないと言い切れるか?」
もっとも、ザフトも分類されるのなら一種の民兵なんだが……あちらはコーディネーターで、しかもそれなりの訓練を受けている連中だ。明けの砂漠のようなレジスタンスと一緒にするのは間違っているだろう。
「でも、勝ち目は……」
「ああ、まずないだろうな。だが、それでも突っ込んでいくからこそ暴走と言うんだよ」
「……」
無言になるマリュー。そして俺の予想が正しいと証明する通信がムウからもたらされた。
「艦長、明けの砂漠の奴等が砂漠の虎を追撃して行っちまった」
「何ですって! そんな、本当にアクセルの言う通りに暴走するなんて……何故止めなかったんですか、フラガ少佐」
「止めたらこっちと戦争になりそうな勢いでね。それより
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