機動戦士ガンダムSEED
0175話
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再びマリューが口を開く。
「あの子はサイ君の彼女……でしょ? それが本当にキラ君と?」
「意外? だよねぇ。俺もそう思うんだけどさ。……アクセルは何か聞いてないのか? この艦の中じゃ坊主の友達を抜かせばお前が一番仲がいいだろ?」
さて、どう答えるか。ここでフレイが父親の仇を取る為に自分の身体を使ってキラを誑し込んだと言ってもいいものか? いや、もしそうなって俺達が口を出すと余計に拗れる可能性がある……か?
そもそも俺は恋愛関係に関してはそれ程得意じゃないという自覚がある。以前はムウに見栄を張った事もあったが、その見栄に関しては地球に降りた後に実はマリューが俺を想っていたというのを知って以降は完全に消え去っていた。
こういう時にレモンやコーネリアがいれば相談できるのかもしれないが。
「アクセル?」
ふと気が付くと、何やら鋭い目付きで俺を見ているマリューの姿があった。
「今、もしかして妙な事……誰か特定の相手の事でも考えていたのかしら?」
「……いや、まさか」
鋭いな。これが女の勘って奴か。背筋にじんわりとした嫌な汗を掻きつつも惚けておく。
ムウはと言えば、どこか面白そうに俺とマリューの様子を見物していた。おのれ。
「ま、話を戻すと俺達と違ってキラは元々民間人だ。戦闘は持ち前の身体能力でどうにか出来るのかもしれないが、その心は鍛えようがない」
「そう、ね……」
溜息と共にそう呟き、格納庫から出て行く。それを目で追っていた俺とムウもその後に続く。
「戦闘によるストレスでおかしくなってそうなったのか、そうなったからおかしくなったのかは知らんが、ともかく上手くないな坊主のあの状態は」
「それにしても迂闊だったわ。パイロットとして歴戦の傭兵であるアクセルにも負けない程に優秀だったからつい……さっき聞いたみたいに正規の訓練もなにも受けてない子供だという事を私は……」
「出来るからこそ、自分がやらないといけない。自分が友人を守らなきゃいけないと自分自身を追い込んで、追い込んで……ストレスとして溜まっていったんだろうな」
ムウと俺の話を聞いていたマリューが立ち止まってこちらへと視線を向けてくる。
「解消法に心当たりは? 2人共先輩でしょ?」
「え? う、うーん……」
唸りながらマリューのその豊かな胸へと視線を向けるムウ。思わずその頭を軽く殴ってしまった俺は悪くないと言い張りたい。
「人の恋人をなんて目で見てるんだ、お前は」
「っつー……、ア、アクセルお前どんだけ馬鹿力なんだよ?」
ちなみに今のやり取りを見ても分かるように、実はムウには俺とマリューが付き合っている事は既に知られている。いや、マリューの口紅をべっとりと付けているのを見られて誤魔化せるとも思っ
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