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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第二十八話 Die d?mmsten Bauern ernten die dicksten Kartoffeln.
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―――諏訪原大橋―――
「Panzer―――」
「クッ、ハアアァァァ!!」
螢は左手に持っている炎剣によってパンツァーファウストの一撃を受け流す。実力差が明確である以上、螢がザミエルの攻撃を真っ向から受け止めるのは下策である。
故にこの場において有効な手段は奇策の類であり、ある意味それは成功しているといえた。
二刀を使う上で利点を挙げるとするなら単純に手数が増えることである。片方を防御にもう片方を攻撃に使い分けるなどといった単純な策から攻守の切り替えによる不意打ちなど彼女の戦闘方法はまさに千差万別であった。
「ウオォォォ―――!!」
故に櫻井螢の戦い方は武に通ずるエレオノーレであっても…いや、だからこそ有効だったといえる。もし仮に一刀で型通りの攻撃を行っていたならば、近接戦闘に於いても遥かに格上であるエレオノーレに立ち向かうことすら許されないだろう。
「ツ―――!」
出鱈目な型であるが故に対応し難い。定石通りの対応が出来ないと言う事である。故にエレオノーレは螢の接敵を許してしまった。
右手に握った姉同然であった彼女の剣を振りかぶる。雷速のその太刀筋は完全に敵を捉えたと、少なくとも櫻井螢はそう感じた。だが、
「あ、グッ……アアアァ!?」
突如、横から銃撃を受けた螢。その攻撃は広く、そして火力もこれまでの小火器とは桁が違うと理解させられる。そう、接近を許したのではなく、あえて接近させた。戦いの上で兵は自らの成功を確信したときほど隙を見せる。それに対して手痛い反撃を繰り出したのだ。
「フン、近づくのは良いが、そう易々と攻撃を通させるとは思うな。接敵を許してもそれに対応する策を用意するのは当然だろう」
そもそも雷速程度の速度など白い凶獣と戦い続けたエレオノーレは当の昔に馴れていた。そして前回の戦いで僅かとはいえ傷を負わせた以上、油断や手抜きなどといった行為はしない。
曲がりなりにもエレオノーレは螢を相対するに値する敵と認めたのである。であればそこに容赦などという言葉はありはしない。エレオノーレは今まさに兎を狩る獅子と化している。
「機関銃ッ……!?」
横から撃ち抜かれた銃の正体はまさしく螢が呟いた通りのモノだった。マウザー・ヴェルケMG34機関銃とグロスフスMG42機関銃。ナチスドイツの中でもメジャーな銃の一種であり、その凶弾の猛攻は幾人もの敵を撃ち殺した脅威の武器ともいえる(特にMG42はヒトラーの電動のこぎりという異名を残すほどである)。大隊規模の部隊に対し、配備される数はおよそ十二挺。多いとはいえないが毎分千発を超える銃撃の弾雨は猛攻としか言いようが無かった。
「数こそ多くは無いが、威力に関しては申し分あるまい」
防ぐ、躱すなどといったことは当然間に合わず、螢
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