暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
立志の章
第3話 「正直に言おう。手に負えん」
[4/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
んな……」
「にゃ〜……そんな服があったら、岩でも粉々にできそうなのだ」
「実際できるよ? たぶん厚さ三、四十センチ……えーと、大体二尺? ぐらいの壁や鉄なら壊せると思う」
「そ、それはとんでもないな……」

 愛紗が驚くのも無理ないのだ。
 二尺の壁を砕けるなら、人の顔なんて簡単に飛ばせるのだ。

「まあ、力加減が難しいけど、ちゃんと訓練をしているしね。上限があがるだけで下限はそのままだから、訓練さえちゃんとやれば問題ないよ」
「その服を着るだけでそこまで……うーむ」
「あ、いっとくけどこの服、俺にしか使えないからね? 俺以外が着ても、機能が使えないように封印されちゃうから。ただの丈夫な服程度になっちゃうよ」
「そ、そうなのか……」

 にゃ、愛紗がちょっと残念な顔をしているのだ。
 きっと、着てみたかったに違いないのだ。

「まあ一刀も同じの着ているけど、あっちも俺のと同じ性能だよ。ただ、あれも一刀しか……」
「にゃ? どうしたのだ?」
「うん?」

 お兄ちゃんが後ろを振り返ると、その場で固まったのだ。
 どうしたのだ?

「……桃香が気絶してる」





   ―― 桃香 side 北平 ――





 あれから二日たちました。
 あの後、気絶してしまった私。
 明け方になってようやく目が覚めてから、近くの邑で馬を四頭買いました。
 ついでに荷車を購入して、盾二さんが即席の馬車を作ってくれました。
 一刀さんを運ぶため、必死に作ったみたい。
 もちろん私も手伝ったけど……借りた金槌がすっぽ抜けて一刀さんに当たりそうになった時、丁重にお断りされました。
 グスン。
 それから一昼夜かけて、ようやくお医者さんのいる北平の都まで着いたんです。

「やっとついたね〜結構、お尻痛かったよ〜」
「桃香様……少し下品ですよ」
「お姉ちゃんはお尻がでかいから、その分痛みも大きいのだ」
「そ、そんなことないよ! た、確かに動かなかったのに食べる量は一緒だから、す、少しは増えたかもしれない……けど! そんなに大きくないもん!」
「桃香様……道の真ん中でそんなに大声で叫ばれては」
「は、はわわわわっ」

 は、恥ずかしいよう……でも、盾二さんは聞こえなかった振りをしてくれているみたい。
 優しいなぁ……。

「ともかく、話に聞いた五斗米道とやらの医者を探しましょう。まずは彼……一刀殿を宿に移しますか?」
「ああ、そうしよう」

 盾二さんが頷くと、馬の手綱をしならせ宿へと馬車を進めたんです。




   ―― 盾二 side ――




 宿で一刀を休ませ、その付き添いを桃香にお願いしてから俺達は、三人でそれぞれ聞き込みをした。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ