暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
立志の章
第3話 「正直に言おう。手に負えん」
[2/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

 愛紗の持つ青龍偃月刀は、どう見ても二十kgはあるだろう。
 それをあの細い腕で自由自在に振り回している。
 あの細身のどこに、あれだけの重量を振るう筋力があるというのだろうか?
 そして鈴々の丈八蛇矛……丈八(四百七十七cm)もあるというが、確かに長い。
 日本の戦国時代に、織田信長が足軽にもたせたという『三間槍』よりはちょっと短い。
 だが、それでも長い。
 長い、と言うことは、それが生む遠心力もハンパない、ということだ。
 そしてそれを振るう腕力も。

「もしかして、桃香もあれぐらい強い?」
「ええ〜私、あんなに強くないよ。私も剣もっているけど……強さはからきしだし」

 隣で一刀を膝枕している桃香は、ぶんぶん、と手を振っている。
 ……ふむ。
 確か史実だと劉備は若い頃、暴れん坊だったという記述を見た気がしたんだが。

(そもそも史書とは、性別からして違うしな……)

 深く悩んでも仕方ない。
 そもそもスプリガンを目指した頃から『歴史』というものが酷くあいまいで、作られた存在であることも多かった。
 『歴史』は所詮、文献などを参考に照し合わせた中で、最も信憑性が高いと言われたものに過ぎない。
 そんなものはスプリガンを目指し、数多くの遺物(オーパーツ)に触れてきた俺にとって参考文献以上の価値は無かった。

「じゃあ、桃香って頭がいいの?」
「え、ええとぉ……い、一応、盧植先生の門下で勉強したけど……そんなに頭がいいって程じゃあない、かな。うん」
「……そっか」

 盧植、ね……確か政治家で将軍で学者って人、だったかな?
 あんまり覚えてないけど……確か無実の罪で投獄されたか、殺された人だっけ?
 中国史、もうちょい勉強しておくんだったか。
 一刀なら多少詳しかったかもしれん……。

「あ、あ〜今、何にも役に立たないな、この子、とか思ったでしょ!」
「いや、そんなこと欠片も思ってないけど……そうなのか?」
「う、う〜……ちゃんと役に立つもん……なにかに」
「そ、そうか」

 あまり触れないほうがよさそうだ。
 そうこうしている間に、愛紗と鈴々は残り三人まで賊を打ち倒していた。
 愛紗たちの目の前にいるのは、チビ、ノッポ、デブの三人の賊。
 頭には黄色い布を巻き、剣をぶるぶると振るわせながら腰が引けている。

「な、なんてヤロウどもだ……たった二人のくせに」
「ヤロウではない! 私たちは女だ!」
「そうだ、そうだ! どちらかというとメロウ(女郎)なのだ!」
「鈴々ちゃん! それ、意味違う! 全然違うから!」

 メロウ……女郎は遊女のことだ。
 隣の桃香が、若干顔を紅くしている。
 鈴々のボケも、おびえきった賊相手では受けなかったらしい。

「くそ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ