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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
立志の章
第2話 「まさか……金(きん)か!?」
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ね? もしかして、あだ名か何か?」
「ちがうよー! ちゃんとした名前です! 失礼だよー!」
「え、ああ……ごめん」

 盾二さん、かなーり失礼だよ。人の名前をあだ名とかいうの。

「えっと、じゃあ君らは……?」

 盾二さんは、どことなく不安げに横にいる愛紗ちゃんと鈴々ちゃんに尋ねる。

「……我が名は、姓は関、名は羽、字は雲長だ」
「鈴々は、姓は張、名は飛、字は翼徳なのだ!」

 たぶん、私の名前をあだ名とか言ったせいかな? 愛紗ちゃんが若干怒ってるっぽい。

「ええと……さっきから君達、別の名前を言い合ってなかった?」
「ああ、それは真名だよー」
「まな?」

 あれ? 盾二さん、真名知らないの?

「真名を知らんのか……?」
「全然知らない」

 愛紗ちゃんもちょっとびっくりしてる。そうだよねー普通知っているよね。

「真名ってのは大事な名前のことなのだ! それは家族とか大事な人しか呼んじゃいけないものなのだ! 例え知っていてもその人が許さなきゃ口に出しちゃいけないのだ!」
「なにそれ……古代中国にそんな風習があったとは……」

 こだいちゅうごく?

「ま、まあ、郷に入っては郷に従え、か。教えてくれてありがとう。知らなかったら普通に呼ぶところだった」
「よかったのだ! もし呼んでたら、殺されても文句は言えないのだ!」
「そ、そこまでか……」

 盾二さんが、若干引いているみたい。そっかー知らないところから来たのかな?

「お兄さん――盾二さんってどこの人? この辺じゃ見ないけど……」
「う、うーん……そ、その前に聞いておきたいんだけど、ここってどの辺り? 地名とか……」
「ここ? 幽州啄郡だよ」
「ゆうしゅう……五代十国頃までの地名、だったか。やはりここは……」
「「ごだいじっこく?」」

 愛紗ちゃんと鈴々ちゃんが声を揃える。五台山のことじゃないよね? 
 他にごだいじっこくなんて地方あったっけ?

「いや、すまない。ということは……今から向かっているのは北京、いや北平か」
「うん。だけどこのままだと、どう考えても七日ぐらいかかっちゃうよ?」
「となると……馬かなにかをどこかで調達しないとな」
「それはいいけど……盾二さん、お金もってるの?」
「ああ……そうか。こっちじゃ向こうの金は使えんし……」

 盾二さんがちょっと悩んで――あれ? こっち見てる?

「な、なにかな? 申し訳ないけど私達、そんなにお金は……」
「あ、いや……そういうのじゃなくて、な」

 てっきりお金を貸してくれというのかと思ったけど……違うのかな?

「……うん。そうだな。君達は俺を、そして一刀を救おうとしてくれている。俺も信義に応えよう」

 そう言うと
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