第十二話
[8]前話 [2]次話
第十二話 大きくなくても
美奈子は牛乳を飲みながらこうも言った。
「胸が大きくなるよりも」
「背が欲しいの?」
「それよりもなの」
背でもないというのだ、では何かというと。
「骨がね」
「ああ、牛乳はカルシウムだからよね」
「そう、骨がしっかりなるからね」
それでだというのだ。
「牛乳は飲んでいかないとね」
「それね。骨がしっかりしていないと」
華奈子も美奈子の話を聞いて言う。
「いざって時に折れたりするから」
「そう、ダンスの時でも」
ダンスの話もする、クラウンの中ではヴォーカルの華奈子と美奈子はダンスもする。しかもかなり激しいダンスも踊る。
それでその時にだというのだ。
「骨折とかあるわよね」
「そうした時に骨がしっかりしていないと」
まさにその時だというのだ。
「だからね」
「あたしも油断出来ないわよね」
「油断したら駄目よ」
美奈子はこのことを真面目に華奈子に言った。
「油断したらまさにその時にだから」
「じゃあ牛乳飲んだら」
「そうしたリスクも減るから。だから」
「ううん、本当に牛乳ってすごいのね」
授業でも習ったことだが今そのことを再認識したのである、そうして。
華奈子はあらためてこう美奈子に言った。
「じゃあ胸のこととか抜きにしてもね」
「牛乳は飲んだ方がいいから」
「そうよね、やっぱり大きくなりたいけれどね」
華奈子はぽつりと本音も出した。
「それを抜きにしても牛乳は飲むべきね」
「そう、カルシウムは大事だから」
「あとビタミン?必要なのは」
「お野菜ね。けれど華奈子お野菜も何でも食べるから」
「問題なし?」
「果物も食べるじゃない」
華奈子は果物も好きだ、特に林檎や蜜柑だ。西瓜や苺も大好物だがこれは野菜になるのでまた別のものになる。
「後はお野菜と果物はバランスよく食べればいいから」
「じゃあ美奈子もね」
「ええ、私も今以上に食べるわ」
美奈子も野菜、果物はどちらも好き嫌いなく食べる。そうしてだった。
今は牛乳を飲んでそして華奈子に言った。
「後で苺食べよう」
「二人でね」
こうして二人は苺も食べた、野菜も食べるのだった。
第十二話 完
2013・2・18
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ