第七章 銀の降臨祭
幕間 傷跡 弍
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「ここじゃあそれが普通だッ!!? どうすんだよ本当ッ!! 手持ちの武器じゃどうも出来んぞっ!」
瓦礫を飛び越え、家屋の陰に入り込み逃げ続ける士郎たち。
「手持ちの武器は……手榴弾二つに、AKが一丁か……無理だな」
「無理だな……じゃないだろっ!!」
走りながら手持ちの武器を見下ろす士郎に、前を走るヒサウが悲鳴のような怒声を上げる。
「責任を取れ責任をっ! オレがあれほどダメだと言ったのに撃ちやがって!! しかも一発で当てやがって! どうすんだよコレっ!!」
「……勘違いしそうになるな」
「ッッ!!? 死ね馬鹿ッ!!」
「ぐはっ!!」
ぼそりと士郎が呟いた言葉に、ヒサウは顔を真っ赤にさせると、後ろを走る士郎に回し蹴りを叩き込んだ。鳩尾に正確につま先を叩き込まれた士郎は、濁った悲鳴を上げながら地面を転がる。ヒサウは倒れ込む士郎をそのままに、走り続ける。
「お前なら出来る!! 頑張れ士郎!!」
「ぐ、ぐは……ひ、ひさう〜〜!! お前〜〜!?」
地面に倒れふしながら、消えゆくヒサウの背に向け恨み言を叫ぶ士郎だったが、後ろから聞こえる破壊音に背後を振り返る。そこには、迷彩が施された戦車の姿が。
「っ……やってやる……やってやるよおおおおお!!」
戦車VS魔術使い(武器AK一丁、手榴弾二個)
「くっそおおおおおおおおおお!!」
士郎の悲鳴が沈みゆく夕日に……響いた。
「いや〜ハッハッハッ……まさかあの距離で戦車の砲塔に主榴弾をぶち込むなんて……何で生きてんの?」
「俺も自分が生きているの信じられないよッ!? 少しは手伝えっ!!」
無事に生き残った士郎が、焚き火の前でもぐもぐとちゃっかり山賊から奪った食料を食べるヒサウに抗議の声を上げる。
手持ちの武器では、戦車の分厚い装甲を破けない。
外が駄目ならば……内側(・・)からやるしかないと判断した士郎は、戦車に突っ込みその砲塔に手榴弾を突っ込んだのだ。
何とか戦車を破壊した士郎だが、追いついてきた山賊の仲間に追われるようにその場から逃走し、どうにかヒサウの下までたどり着くことが出来た。
「元々お前が助けるとか言わなければ、こんなことにはならなかったんだぞ」
「そうは言ってもだな。助けを求める子供を放っておけるわけがないだろ」
「……ふ……ん……それで自分が死んだら馬鹿だろ」
「馬鹿で子供が助けれるなら、馬鹿で結構だ」
顔を俯かせ、ぶつぶつと文句を言うヒサウに、士郎は憮然と言い返す。
「しかし、士郎。そろそろ考え直したほうがいいんじゃないか?」
暫くの間、黙り込んだいたヒサウだが、不意に顔を上げると士郎を見つめながらポツリと呟
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