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剣の丘に花は咲く 
第七章 銀の降臨祭
幕間 傷跡 弍
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を侵すように進行してくる七万を超える軍勢。



 それを見通す者は、



「七万の軍勢……か」



 赤き騎士。



 名は衛宮士郎。



「…………」



 目を閉じ、瞼の裏に浮かぶのは、一人の女性の姿。



 全てを救える正義の味方になれると言ってくれた女性。



 強くなれと伝えてくれた女性。



「俺は……全てを救えるほど……強くなれたか」



 全てを救えるほど強くなれと……。



「少しは……お前が思う……正義の味方に近づけたかな……」



 目を開く。



 視線の先には、草原を埋め尽くす七万の軍勢。



 相対する者の心胆を恐怖に晒す。巨大な力の権化。



 しかし、それに相対するたった一人の騎士の顔に浮かぶのは不敵な笑み。




「……絶対に……救ってみせる……今度こそ……全てを」

 


 覚悟を決めた。




 漢の貌。 






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