暁 〜小説投稿サイト〜
剣の丘に花は咲く 
第七章 銀の降臨祭
幕間 傷跡 弍
[2/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
は、その様子を笑って見ていた。

 それからは毎晩の如く私は犯された。

 ……仲間だと思っていた少年たちから。

 どうやら私は褒美みたいなものだったらしい。

 時折外に出されて戦っては、生き残った者に渡される褒美。

 それが私だった。





 『オレ』が生まれてから一年後。

 アソコが何者かに潰され、『オレ』だけが生き残った。

 しかし、成熟する前の身体に与えられた過剰なまでの陵辱は、私の身体と心に取り返しのつかない傷跡を残していた。

 一人生き残ってから暫くは、野盗のようなことをして生きていた。

 殺し、奪い、食べ、眠る。

 それはまさに獣のような生活だった。

 真実何の目的も展望もない生活。

 そんな生活が変わったのは……知りたかったから……。

 それは、ある日のこと。

 女に抱かれて眠る、同じ歳ぐらいの子供を見た。

 それを見て、私は自分が泣いていることに気づいた。

 途切れることなく溢れる涙と、叫びだしたくなる程のナニカに襲われ……私は只々混乱していた。

 それから、時折そんな衝動に襲われることがあった。

 だから、どうしてそんな風になるのか調べ始めたのだが……結局その理由は分からなかった。

 しかし、それが切っ掛けだった。

 母親という存在に興味を持ったのは……だから、自分の母親について色々調べ始めたのだ。

 別に今すぐ会う必要に迫られている訳でもなく。ゆっくりと時間をかけて調べた。

 手掛かりの全くない状況からの調査。

 何も分からないかもしれないと思っていたが、予想外に情報は次々に手に入った。

 とは言ってもその情報はどれも断片的なものばかりで、大したものではなかったのだが。

 それでも、自分の母親のことについて少しずつだが分かったきた。

 しかしそれも、直ぐに途切れることになる。

 一切の情報が手に入らなくなったが。

 それでも『オレ』は、諦めることなく調査を続けた。

 欠片も情報が手に入らなくなってから、十年以上の時が過ぎ……諦めかけていたそんな時……私は出会った、衛宮士郎という……正義の味方に。














 士郎と出会う少し前、『オレ』はある売人の護衛をしていたのだが、ひょんなことからその手下が何処かのテロ屋と手を組み、護衛の売人を殺そうとする情報を手にした。前金は貰っていたし、勝つ見込みはないと判断したため、『オレ』は逡巡することなくさっさとそこから逃げ出した。
 とは言え、警告することなくさっさと逃げ出したことに、『オレ』の中に何かしこりのようなものが生まれた。

 だからだろう、何時もならば絶対
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ