第七章 銀の降臨祭
幕間 傷跡 弍
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正義の味方を目指す魔術使いである衛宮士郎には、複数の師匠がいる。
魔術の師匠である遠坂凛。
剣の師匠であるアルトリア・ペンドラゴン。
他にも様々な師匠がいるが、その中の一人に、近代兵器の師匠がいた。
師匠の名はヒサウ。
出会った場所は硝煙が香り、悲鳴と慟哭が響く内戦続く国。
灼熱の太陽が降り注ぎ、見渡す限りの砂丘が広がる国で、衛宮士郎とヒサウは出会った。
今思えば、『オレ』が士郎と出会ったのは、所謂奇跡と呼ばれるものなのかもしれない。
いくつもの偶然が重なり、『オレ』と士郎は出会い……士郎は『私』を救ってくれた。
士郎と出会うまで、『オレ』は、毎日をただ何となく生きていた。
殺し、奪い、食べ、眠る……。
そんなクズのような生活が、死ぬまで続くのだと思っていた。
物心ついた時からずっと……随分と長い間そんな風に生きていた。
だけど、そんな『オレ』にも、目的みたいなものはあった。
それは…………母親に会ってみたい………というものだった……。
生まれてすぐ母親から離された私は、『母親』の顔どころか声すら覚えていない。
それについて、別段寂しいとか悲しいとか思ったことはない。正確に言えば、そんなことを考えている暇がなかった。
私の最初期の記憶は、小さな刃物でナニカを解体しているというもの。
小さく解体したものを口に運ぶ。
暗い闇の中、手の平に感じるナニカから溢れ出る生暖かい感触。
生臭さと、鉄錆の味が口の中を満たす。
アソコは……地獄だった。
そこには、私の他にも、同じぐらいの歳の子供がいた。
常に暗い印象を感じるあの場所で、大人の男たちが私たちに教えていたものは……人の殺し方。
あそこでは、物覚えの悪い子供から次々に死んでいった……いや、殺されていった。
だから、私たちは必死に覚えた。
寂しさを感じる時間で、銃火器の構造を覚えた。
悲しみを感じる時間で、銃の腕前を磨いた。
大人の男たちは敵であり、仲間は同じ子供だけだった。
だけどそれは勘違いだった。
私の身体が女になった時、それが分かった。
その頃には、仲間で生き残っていた少女は私だけになっていた。
そんなある日、私は強姦された。
何時かはこうなることを予感していたが、予想外のことが起きた。
私を最初に犯したのは、大人の男たちではなく……仲間だと思っていた少年たちだった。
泣き叫ぶ私を押さえつけ、生き残っていた全員で私を代わる代わる犯したのだ。
大人の男たち
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