第3章:武器屋トルネコと幼女騎士リューラ
第3話:仕掛看破
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
たのですか!?」
驚きのあまり立ち止まって確認すると、恥ずかしそうに黙って頷く彼女…
もっと早く言ってくれれば、薬草を無駄に買ったりはしなかったのに…
「ほ、他には「アレ…鉄金庫。早く手に入れよう…」
他に使える魔法を聞き出そうとしたのだが、言いたくないのか先を急がせてくる。
利用出来るものがあるのなら、徹底的に利用したいのだが…
とは言え、目的の物を手に入れる事の方が先決だ。
私もリューラさんの後を追い、慎重に鉄金庫まで辿り着く。
そして渾身の力を込め、目の前の鉄金庫を持ち上げた…その途端!
(ズ〜ン!!)
思い音と共に目の前の通路に大岩の扉が下りてきて、私達を袋小路に閉じこめてしまった!
あまりの出来事に驚き、持っていた鉄金庫を元の台座に落としてしまう…
すると大岩によって閉じていた通路が解放され、逃げ出すチャンスが訪れる。
「こ、これは…鉄金庫を持ち上げると、押し止めてあったスイッチが解放され、通路を通過できないようになる大岩で塞ぐトラップが発動するみたいですね! どうしましょう…これでは鉄金庫を持ち帰れないですよ…」
鉄金庫の代わりにこのスイッチを押し続けてくれる何かがあれば…
代わりに人が乗っているだけで、通路は解放されるのだろうから…誰かが犠牲になってくれないだろうか……?
私は大岩が下りてきて通路を塞ぐ付近で、何かを捜しているリューラさんを見詰め考える。
彼女の体重でも、スイッチを押し続ける事は可能だろう…
後日、代わりになる何かを持ってくると言えば、信じてもらえるだろうか?
この場さえ信じてもらえれば、私の冒険は続けられる…
こんな事なら家族に会わせるのでは無かったな。
ポポロは気に入っていたみたいだし…
まぁ『お父上と再会出来、自分の住む世界へ帰った』と言えば信じるだろう。
「トルネコ…手を貸して!」
私が意を決してリューラさんを騙そうと決意した時、彼女から声をかけられた!
同じ事を考え、私を犠牲にするつもりだろうか!?
「これ…この岩が…鉄金庫と同じくらいの重さだ…」
い、岩…?
同じくらいの重さ…?
私は慌ててリューラさんの側に近付き、彼女が指差す岩を見詰める。
確かにあの鉄金庫と同じくらいの大きさと重さ…
これを鉄金庫の代わりにスイッチの上に置けば、閉じこめられることなく鉄金庫を持ち帰れるのでは?
「素晴らしい! 凄い機転ですよリューラさん!!」
先程までの私の思考など知らない彼女は、私の言葉に恥ずかしそうに俯き照れる。
良かった…私も後味の悪い思いをせずに利益を得られる。
やはり彼女は手放せないな!
私の夢の為に最大限利用させてもらわないと!
トルネコSIDE END
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ