姉達へ妹達へ
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、不用意に突出してきたカイザーリング艦隊がその攻撃の牙を向けようとした時、同盟艦隊からの集中砲火を食らう羽目になった。
「シールド艦展開。
確実にやつらはこの船を襲ってくるわよ!」
艦隊母艦コンロンを守る盾として十重二十重にシールド艦が張られる。
その外に取り巻くのは護衛巡航艦と護衛駆逐艦。
私を釣りの餌にした事から分かるように、鉄床戦術で私たちの分艦隊が金床の中心となる。
こちらの被害は少なく、モニターには儚く輝く無音の蛍火が広がっていた。
「大貴族様だな。
こんな命令を受けなくてほっとする」
集中砲火を浴びるカイザーリング艦隊を助けるために、ヴァルテンベルク大将の艦隊とリッテンハイム侯の私兵艦隊も姿を現さずにはいられなかった。
とはいえ、カイザーリング艦隊は壊乱状態で、リッテンハイム艦隊がビュコック分艦隊に向かおうとして、ヴァルテンベルク艦隊の射線をまたぐなんて信じられない醜態を見せ付けていた。
「こんな言葉があったそうです。
『猟師の前に鴨が野菜持ってあわられた』と」
「撃てばシチューのできあがりだな。それは。
鴨は鍋は持ってきてくれないのか?」
「各艦隊のがんばり次第では?」
そして、単艦、隊での帝国軍の優位を無にする艦隊戦闘が始まった。
なお、終わるまで三十分もかからなかった。
カイザーリング艦隊の壊乱がひどすぎて迂回しなければならなかったのと、物資・燃料の補給が遅れた事、そして、帝国軍敗走時の隊レベルでの奮戦が無かったら帝国軍の損害は今の倍はあっただろうに。
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「同期終了しました。
お姉さま。
ご感想は?」
「いいものじゃないですね。
いつもの事ですが、ここまでしないと勝てないんですね。あれには」
アルレスハイム星域の会戦に参加した姉達・妹達のデータを同期した私は深く深くため息をつく。
この戦いで、アンドロイドだけでも一万、ドロイドまで入れたら十四万のもドロイドが帰ってこなかった。
そして、その奮戦によって宇宙の塵となった同盟軍の人員は三十五万人で済んだ。
深く深くため息をつく。
三十五万人。
代替がきくアンドロイドやドロイドが無かったらその損失は五十万人を超える。
中規模都市に匹敵する社会構成の中核を担う人々が、たった一回の戦闘によってそれだけ消えたのだ。
そりゃ、同盟が疲弊する訳である。
そして、その消耗と疲弊は原作が近づくに連れて激しくなる。
ラインハルトを頂点とする綺羅星の将星達によって。
「議会に訴えて、軍の自動化推進比率を50%にあげましょう。
できれば、無人艦とか作りたい所だけど、ハッキングやジャミングで無
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