姉達へ妹達へ
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から目を離さずに答える。
「艦単体の性能ではこっちが少し勝っているはずなんだがな」
帝国艦船は領地反乱に備えて大気圏降下能力を備えている。
その為、その降下能力分攻撃か防御か起動かに割りを食うのは周知の事実だ。
で、それにも関わらず、対等に戦っているという事は……
「いい艦長か、いい指揮官がいるって事でしょうな」
「とはいえ、私も負けて入られないな」
艦長と隊司令が同時に笑う。
こんな時に笑う事ができる人になれたら……
「敵艦、本艦に攻撃を集中!
シールド持ちません!!」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「偵察隊が思った以上に叩かれているな。情報参謀」
「はい。戦隊司令。
敵はこちらの索敵を邪魔する事で情報を与えないようにしていると思われます」
先行させた偵察隊の苦戦が大モニターに映される。
他の偵察隊も苦戦しているという報告が来ているから、戦略レベルでこの妨害は行われていると考えていいだろう。
「情報参謀。
その意図をどう考える?」
私は別モニターに彼我の兵力差とその予想配置図を出して、現在偵察隊が苦戦している宙域と照らし合わせる。
想定兵力はこちらの方が多いのは敵も理解しているはず。
ならば……
「主力を温存して一撃にて勝利かと」
戦隊司令はふむと小さく呟いて、作戦参謀にその対策をたずねる。
とりあえず合格したらしい。
「では、作戦参謀。
その意図を実現する場合、敵はどういった動きを取る?」
「散らばらせて、本陣を突く。
これしかありません。
とはいえ、情報が無いと受身に回らざるを得ませんから、対処として、偵察隊を増強した上で再編して再度偵察に出すしかないでしょう。
彼我の兵力差なら、まだ本陣直撃を敵が意図しても互角に戦えます」
その言葉をあざ笑うように、戦艦のオペレーターをしている妹の一人の報告が艦橋に飛び込んできた。
「第八十七偵察隊から通信!
敵軍発見!
規模は艦隊規模で本陣に向かっています!!!」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「参謀長。
やつらは馬鹿か?」
「即答しかねます。
何しろ大貴族様の命令かもしれませんので」
情報から突出した敵艦隊がカイザーリング中将の艦隊である事が分かっていたけど、アレクサンドル・ビュコック分艦隊司令の言葉に私は苦笑するしかない。
私自身はリッテンハイム侯に対する餌として艦隊母艦コンロンと共にここにいる。
この会戦に合わせて各星系警備艦隊にて編成されたビュコック分艦隊の旗艦に指定されたと同時に参謀長に指名されたという経緯がある。
で、私たちの目の前に
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