プロローグ「憑依」
[2/4]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
しかも主要キャラに限らず、モブAといった脇役まで妥協を許さない。俺の友人にも【そらのおとしもの】を愛読している人がいるが、メインヒロインたちより、モブキャラに愛を注いでいるほどだ。
次に主人公のキャラ立ち。公然猥褻など日常茶飯事、息をするかの如く平然と変態行為に走るまさに生きるエロの権化。普通なら嫌われて終わりそうなキャラクターだが、なぜか本作品では皆に愛されている天然記念物だ。しかもギャク設定もあるため、首が飛んでも身体が二分されても、荷電粒子砲で消し飛ばされても、次のコマでは復活しているという超人ぶり。
そんな主人公だが、ただのエロかと思えばそうでもない。ヒロインのピンチになれば絶対と言っていい程駆けつける、ここぞという時の見せ場は見逃さない。
普段は馬鹿をしているが、いざという時には頼りになる。そんな二面性を気に入っていたりする。
俺の中では【そらのおとしもの】は良作に部類される作品だが、一つだけ許せないものがある。
それは――敵の親玉だ。
主人公の元にやってきたヒロインの元主である親玉は何かと主人公を目の敵にして、亡き者にしようと数々の刺客を送り込む。それだけならいいのだが、この親玉――ヒロインたちに対する扱いが酷すぎるのだ!
イジメを通り越して虐待の部類に入る扱いだ。PTSDになっても可笑しくない。
そんな主の元で一生懸命、主人に尽くすヒロインたち。もう初めて読んだときには涙が出たものだ。
なぜ親玉がそんな人格者になったのかは俺は知らない。本作ではまだ全貌が明らかになっておらず、名前すら明かされていない。
虐待を受けながらも健気に主に尽くすヒロインたちを見て俺は思った。俺なら彼女たちを幸せにするのに、と。これでは彼女たちが救われないではないか、と。
まあ、そんなこんなで俺はこの親玉が嫌いだ。第一容姿からして気に入らない。イケメンなのはまあいい。しかし男なのに腰まで届く長髪、これはいただけない。
――男なら短髪だろうがッ!
個人的意見が含まれているのはこの際置くとして、やはりヒロインたちの扱いに納得がいっていなかった。なんだかんだ主人公の元で幸せに暮らすのだが、それでもヤキモキした感情は拭えない。
まあ、所詮は漫画の世界の話。一読者に過ぎない俺はヤキモキしながら物語を読んでいくことしかできない。
明日も学校があるのだからと、最新刊の【そらのおとしもの】を脇に置いて俺は就寝についたのだった。
――ついた、はずなのだ。
† † †
(なぜ目が
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ