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ファイアーエムブレム〜ユグドラル動乱時代に転生〜【外伝】
40.1話A
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 レイミアに甘えに行った時、彼女とはこんな贅沢な時間の使い方をした。
 郷愁のような懐かしさを感じた肩を寄せ合う時間を過ごした後は


「なんだか少し眠くなってきたよ、いいかい?」

 彼女がそう言うので一緒にそのまま横たわった。

「今日はこういうのはどう?」

 俺はそう言うとぎゅーーっとされる前に彼女の頭を俺の胸の上に乗せてやった。

「あぁ、これもいいね……」

 彼女はそう言うと横抱きに近い姿勢となり、豊かな双丘を押しつけ、自分の両脚の間に俺の足を挟みこんで意味のならないような言葉をむにゃむにゃつぶやきながらすぐに眠ってしまった。
 その感触の余りの心地よさに邪な気持ちになり、一線を超えてしまいそうな衝動を必死に抑えた。
 今もきっと助けを待ってるアイツを裏切るような、そんなコトしちゃいけないよね、でもこの程度甘えるくらいならきっとわかってくれるはず……
 安らかな寝顔の彼女を見て頬を撫でたり髪をいじったりしている間にいつのまにか俺も眠りについていた。



 目を覚ますとまだ昼間であり、レイミアはときどきイビキをしていた。
 よほど疲れが溜まっていたのだろう、このことは自分の心に仕舞っておこうと決めた。
 再び眠ろうかと思ったがなかなか寝つけず、彼女が頭を預けている胸の部分には鈍いだるさを覚えた。
 部屋の前の廊下に足音が聞こえ、剣帯が鳴らす音にマズイなぁと思いつつも、気持ち良さそうな彼女を起こすのはやめておいた。
 ノックが何度か鳴り、返事を待たずに、失礼しますなんて言葉と共に入室して来た者と目が合った。
 空気が凍る……というやつを久々にやってしまった。

「や、やましいことはしてませんよ!二人ともちゃんと服を着てますし!」
「は、はぁ、で、では、またのちほど」

 目が合った相手、ジャコバンは書類をドア脇の花瓶台の上に置くと、しずか〜にドアを閉め、剣帯や足音も訪れた時とは比較にならない静けさで去っていった。
 このやりとりや俺の出した声に目を覚ましもせず、彼女はぐっすりと眠り続けていた。



 さすがに夕焼けが窓から見えてきたのでレイミアを揺すって起こそうとしてもなかなか目を覚ましてくれず、くすぐったり軽く肩を叩いたりしても駄目なのでしっかりホールドされた足を引き抜いて帰ろうかと奮闘していると

「帰っちゃヤダよ……」

 俺の腕を掴んで懇願するように彼女は告げた。

「起きてたんだね」
「ん、ちょと前にね」
「ほれほれ、じゃあ起きた起きた」
「やだー、頑張ったんだしすこしはご褒美おくれよぉ」

 言われたことに嬉しくなってそのまましばらく時間を共にした。
 すっかり足が短くなった夕日は、すでに窓から部屋の中にはわずかにしか射さなくなっていた。
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