反転した世界にて2
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ぁ、赤沢さんもコスプレ喫茶なんて嫌だよな?」
「う? えっと、それは……」
男子たちの期待の視線が痛い。
僕なんぞの意見を尊重しようだなんて、よっぽど一票が惜しい状況なのだろう。
でも正直に心情を吐露するならば、コスプレ喫茶にはすごく興味がある。僕は全然ムッツリスケベとかじゃないんだけど、でもやっぱりコスプレした女子はこの目に拝んでおきたい。
だがそんな本音をここで漏らしたりすれば、明日から僕のあだ名はコスプレ喫茶になってしまう。それは避けたい。
ど、どうすれば……っ!
「その、えっと……」
「想像してみろよ。女子たちの着せ替え人形にされて、メイド服とかチャイナ服とか着せさせられて接客をやらされるんだぞ? そんなの嫌じゃないか?」
「あ、それは嫌だね」
正直に心情を吐露する。
何が悲しくて男の僕がメイド服やチャイナ服を着飾らなければならんのだ。
しかしなるほど。だから男子たちはこんなにも本気で――去年の女子を彷彿させるが如く猛反発していたのか。
コスプレ喫茶をやりたいなどと主張するのは、男女が替われど“着せさせる方”だってことね。
「だろ? コスプレ喫茶なんて、論外だよな?」
「論外だね」
「――決まりだな。ふっ、空しい論争だったな」
「ぐぬぬ」
「勝ったと思うなよ……」
「もう勝負ついてるから」
先ほどまでの喧々囂々とした騒ぎはひとまず収まった。
男子たちはもはや祝勝モードで、各々の健闘を讃え合う。中には出し物の代案を相談し始めている者までいた。
しかし女子の方は、ざわざわひそひそと、出鼻は挫かれたものの、まだあきらめている様子ではない。
『ちょっと、どうすんのよ』
『どうするもこうするも。この流れはもう駄目でしょ』
『まだ、諦めちゃ駄目。これはチャンスよ。ここで赤沢さんさえ説得できれば――』
ヒソヒソと、僕の席から離れた場所で に興じる女子のグループ。
そのうちの一人が、ぴょこぴょこと後ろ髪を揺らしながら僕の方へと近づいてきた。
「だ、騙されちゃ駄目よ赤沢さん!」
「え? ……え!?」
騙されちゃ、って。騙されてたのか僕は。
――ていうか、誰? この美少女。
短めのポニーテール。長めの前髪。しかしその隙間から覗ける面貌は、テレビですらお目にかかれないほどに並外れた美貌を放っている。
まさに絶世の美少女。強気そうでパッチリとしたその眼が、個人的にクリティカルヒット。
あまりの麗しさに見惚れてしまった。それくらいに可愛い、綺麗、美しい(3コンボ)
――並外れているのは美貌だけではない。その胸囲的……じゃなくて驚異的なバストだ。セーラー服が今にも、『このままじゃオラ、はち切れんぞ!』とばかり悲鳴を上げている。
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