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ヘタリア大帝国
TURN63 ドロシーの帰還その四

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「ガメリカの為だ、是非来てくれ」
「けれど私は」
「どうしたんだ?」
「敗れて。計画も」
 COREの計画のことを自分から話す。
「何もかもなくなって」
「それでだっていうんだな」
「もう今の私は祖国さんの役に立てないから」
「今のドロシーはなんだな」
「ええ」
 ドロシーは小さな声でアメリカに答える。
「とても」
「じゃあこれからの君はどうだ」
 アメリカはそのドロシーに強い声で問うた。
「今の君がそうであっても」
「これからの私は」
「そうだ。どうなんだ?」
「祖国さんはこれからの私が必要」
「そうだ、ガメリカには今の君が必要なんだ」
 アメリカは右手を拳にさせてドロシーに言う。
「だから来て欲しいんだ」
「それで」
「じゃあいいか?」
「今の私はここの生活にも慣れてきているわ」
 ドロシーはアメリカの誘いにすぐに答えずにこの集落のことを話した。
「ガメリカとは違って最新の設備は何処にもない場所」
「君のこれまでの生活とは全く違うな」
「何もかもが」
 まさにその通りだった。
「違っているわ」
「そうだな。しかしだ」
「ええ、わかっているわ」
 ドロシーはアメリカのその問いに答える。
「私はガメリカの市民」
「だからこそだ」
「そして私は祖国さんが好き」
 愛国心もある、そのことも間違いなかった。
「祖国さんの為なら」
「来てくれるんだな」
「ええ、ただ」
 それでもだというのだ。
「お願いがあるわ」
「お願い?何だい?」
「出来ればここでの生活をこのまま過ごしたいけれど」
「うん、いいぞ」
 アメリカは笑顔でドロシーの今の願いを聞き入れた。
「君がそうしたいのならな」
「そう。それじゃあ」
「ドロシー、私も行くわ」
 女も言ってきた。
「ドロシーが行くのなら」
「デカナヴィダも」
「ええ、そうさせてもらうわ」
「そうしてくれるの」
「ドロシーは私の友達だから」
 彼女が行くのならばというのだ。
「行くわ」
「そうしてくれるの」
「俺もだ」
 ブラックホークもだった。
「ドロシーと一緒だ」
「二人共」
「そうよ。一緒に戦う」
「そうさせてくれ」
「有り難う」
 ドロシーは二人に感謝の言葉も述べた。これはこれまでの無機質な感じの彼女からは考えられない反応だった。
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