フェアリーダンス〜エピローグ〜
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照らされている雲海を滑るようなステップをする。そして、二人のステップの距離もどんどん遠くになっていく。と、ちょうど曲の音量が下がってきた頃だろうか、リーファの動きが止まる。
「リーファ?」
「あたし、今日は、もう帰るね」
リーファは微笑みながら言うが目の色は悲しみの色を浮かべている。そして、瓶も砕ける音が僅かに響いて消滅する。
「まだ、これからなんだぞ」
そう言うとリーファは涙を流しながら言った。
「だって……遠すぎるよ、優さんやお兄ちゃんの……みんながいる所。あたしじゃそこまでいけないよ……」
「スグ、そんなことないぞ。行こうと思えばどこにだって行けるんだ」
ゲツガはそう言ってリーファを引っ張って世界樹に向かって飛んでいく。世界樹がもう目の前まで見えるぐらいまで近づくとゲツガはリーファを受け止めた。リーファは驚き声を上げるが、ゲツガはふわりとなるべく衝撃が加わらないようにした。
「少し遅くなったな。……来るぞ」
「え?」
リーファはゲツガが指を指す方向に目を向ける。指を指す方は月。しかし、月以外何も見えない。
「月が……どうしたの?」
「ほら、よく見てみてみろ」
ゲツガはリーファにそう言う。リーファは月に被さるように出てくる城を見て驚く。ゲツガもその城を見ると口元を緩める。
「あ……まさか……まさかあれは……」
「そうだ、あれが浮遊城アインクラッドだ」
「なんであれがこんなところに……」
リーファが驚きの隠せない声で言う。ゲツガは世界樹の上部の枝付近に停止する城を見ながら言った。
「決着をつけるんだよ。今度こそ、一から百層まで完全に征服する。前は四分の三まで上がったけど裏わざと言うかなんと言うか……結局、完全にはクリアせずに帰ってきたからさ……リーファ」
そう言ってリーファの頭に手を置き、言葉を続けた。
「俺さ、弱くなっちまったからさ……あの城を攻略するためにはある程度レクチャーしてもらいたいんだが……頼めるか?」
「……あ……」
「迷うなよ、リーファ。俺たちには翅があるんだからどこまでも飛んでいける。それを教えてくれたのはリーファだからな。俺たちと一緒に行こうぜ」
ゲツガは再びリーファに手を差し出す。リーファは再び涙を流し、その手を取りながら答える。
「うん、行くよ……どこまでも一緒に……」
そして城を眺めていると声が聞こえる。その方向を見るとサラマンダーのクライン、ノームのエギル、レプラコーンのリズにケットシーのシリカを先頭に沢山のプレイヤーが城へと目指して昇っていく。
「ホラ、早く行こうぜ!」
クラインがゲツガに一言言うとすぐに城を目指して突進を開始する。他のプレイ
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