フェアリーダンス〜エピローグ〜
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ドまで出すとすぐに雲を抜けた。抜けた先には雲海が広がっていて、空に浮かぶ月がどこか幻想的な景色を作りあげている。
しかし、ゲツガの視界に一人のプレイヤーが限界高度まで飛んでいく姿を見た。その姿に見覚えがあるためゲツガはそのプレイヤーの下まで飛んでいく。そのプレイヤーは限界高度まで達し、加速しながら落ちていく。ゲツガはそのプレイヤーが雲海に着く前に受け止めた。
「限界高度まで登ってから落ちるなんて危ないことしてんな、リーファ」
リーファは瞼をあけて、驚いていたがすぐににこりと笑って離れた。
「……そう、ありがと……」
そして離れたリーファはしばらく黙っていたがやがて口を開いた。
「ねえ、優君、じゃなくて、ゲツガ君、何でキリト君とゲツガ君は他の人みたいになんで元の姿に戻らなかったの?」
ゲツガはそれを聞いて苦笑する。そして、世界樹の方を向いてあの戦いのことを思い出しながらリーファに言う。
「あの世界での俺の役目はもう終わったんだよ。キリトも多分こう答える思うし。それに、前の俺には失わなきゃならないものがあったしな」
ゲツガはウィルスのことが頭によぎる。まだ、あの身体はウィルスが取り付くかもしれない。だから、ゲツガはコンバートをせずに新しく始めたのだ。
「そっか」
リーファはそれを聞いて短く答える。そしてゲツガのほうに近づいてゲツガの手を取った。
「ね、ゲツガ君。踊ろう」
「え?」
ゲツガは急なことに目を丸くするがリーファはそんなゲツガを引っ張りながら雲海をすべるようにスライドしていく。
「最近開発した高等テクなの。ホバリングしたままゆっくりと横移動するんだよ」
「そうか、なるほどな」
ゲツガはリーファの翅の動きを真似て動かす。しかし、うまくいかないためちょっと自分なりにやりやすいやりかたを見つける。そしてリーファのように雲海をすべるように飛ぶ。
「こんな感じか?」
「そうそう、うまいうまい」
そして、その技術をマスターしたゲツガはリーファから手を離して停止した。
「どうしたの、ゲツガ君?」
「いや、今度は俺がエスコートしたほうがいいと思ってな」
そう言ってゲツガは腕をリーファに手を差し出した。
「リーファ、俺と踊ってくれるか?」
リーファはゲツガの手を取って微笑む。
「喜んで」
そしてリーファはポケットから小さな瓶を取り出す。その瓶の栓を開けると音楽が流れ始める。ゲツガとリーファはその音楽に合わせてステップを踏み始める。二人は時には大きく、時には小さく宙を舞う。両手を繋いで互いの瞳を見る。動きは完全にわからなくならないように互いの目の動きでアドリブで合わせる。
蒼い月光に
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