第4話
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あれは教室中の視線を一心に浴びているときのことだった。
どうする、どうする!? どうするよ、おれ!!!
今、教室の中心でかなりの強敵を前に一歩も動けなくなった俺、『織斑 一夏』は、この教室にいる経緯を今一度振り返っていた。
外で働きながら、俺の学費などを払うように努力してくれている姉、『織斑 千冬』をなんとか楽させるために、授業料も安く、卒業後の就職率もいい藍越学園に入学しようと、試験を受けに行った。 カンニング対策とやらで試験前日に会場が知らされることになる制度には少し驚いたが、まぁ納得してしまうところでもある。
しかし、その試験会場がやたらと前衛芸術の様な造りで、かつ『俺、無駄に道とか作っちゃう〜。 型にハマらない俺カッコイイ』的に面倒くさい造りだった為に道に迷ってしまう。 なんと案内板まで無い不親切さなのである。 小さい子供なら確実に迷子になるだろう。
しばらく試験会場である建物内を歩き回り、やっと見つけた試験会場らしきドアを開けると、急に着替えを催促され、さらに奥には何故か男には動かせないはずのISがあった。
なぜこんなところに? と疑問にも思ったが、そこはスルーして着替え(カンニング防止政策の一環だろう)を行おうと制服に手をかけた。
ブレザーを脱ぎ、綺麗に折りたたむ。 シワになれば面倒なので。 ただ、着替えらしきものはなく、服を脱ぐだけと相成ってしまった。 俺自身が着替えの服を持っているはずもない。 というより持っていたらカンニング対策の意味が無いだろう。 どうすればいいのか聞こうと、案内役のおばさんを振り返ろうとした時、何故か足元にあったモップに躓き、こけそうになる。
近くにつかめそうな物はISしかなく、仕方なく一機数億とまで言われるISに、内心壊れるなよと祈りながら手をかけたんだが……。
次の瞬間にはISを装着していた。
体を包んだ全能感は今でも忘れられないぜ。
そのあとは話が一気に進んだのであまりよく覚えていないが、IS学園に入学することになった。 なんでも男でISを動かしてしまったのだから仕方がないのだとか。 『IS学園に入学しないと最悪世界から命を狙われるよ?』なんて脅しじみた事も言われきがする……。
様々な検査を受け、俺以外に見つかった二人目の男のIS操縦者と顔合わせ、注意事項等を聞きたくもないのに延々と聞かされ続け、今日この日を迎えた訳である。
正直甘かったと言う他ない。
教室にたったひとり男が俺だけという状況はものすごく辛かった。 まさかもう一人の男のIS操縦者と別のクラスにされるとは夢にも思って見なかった。 来るまでは女の秘密の花園ヒャッホウ!!! なんて弾たちと盛り上がっていたんだけどな。
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