紅い星と蒼い星 〜戦争前夜編〜
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いう事実の方が重要だ」
「そうだな、私はOZ総帥として…そして一人の火星住民として、この星を守りたい、君も戦ってくれるね?」
「拒否権は無い。しかし喜んで戦わせてもらう!」
モニターごしだったが、二人は力強く言葉を交わした。
地球の太平洋に位置する小さな島の不気味な要塞、「パンドラ」はヒイロ・ユイが率いるブラックファングの拠点である。そこの一角で黒髪に茶色い瞳の日本人系の男が海を眺めていた。
「火星へのマゼラス部隊は全滅か…」
「はい」
マゼラスとは、火星圏でサユイラが迎撃した黒いMSの事らしい。
「よし」
ヒイロが2〜3mほど離れたところにひざまずいていた兵士に振り返り自信ありげに口を開いた。
「全部隊に伝えろ、『火星への進軍を開始しろ』とな」
「はっ!」
兵士は立ち上がって敬礼すると部屋を出て行った。それとほぼ同時にヒイロが呟いた。
「私のトールギスと火星のガンダム、どちらが強いか勝負だ…フフフ…ハッハッハッハッハ!!!」
サユイラはOZ火星軍宇宙基地のMS格納庫に一人の女と一緒に来ていた。
袖の模様や制服の勲章を見る限り、サユイラと同身分の人間である。
「あれがエルヴのガンダムか…」
「えぇ」
エルヴ・マカロフ。OZ火星軍特尉で、サユイラのバディである。顔は童顔だが、大人の女性といった感じの雰囲気を感じられる。髪は金色でショートヘアだ。
「ウィングガンダムM<マーズ> 。高機動・高火力の射撃機よ」
その機体は白ベースの青といった、清楚なイメージの機体である。元々は、惑星間探査用無人MSとして開発されたが、ブラックファングの存在によって襲撃に備え、長距離射撃用高出力メガ・ビームキャノンを連装した重い武装をバーニア出力のみでカバーするという大変不安定な機体で、その設計思想から、『ウィングガンダムトールギス』とも呼ばれている。
「私たち、バディになってから5年になるけど、やっと上級の機体を動かせるって感じよね」
「だな」
二人は元々一部のエリートしか入れない火星の兵士育成学校で機械整備の仕事をしていたが、ミシェルにその努力を認められ資金全面援助で入学することができた一兵士で、入学して2年目に入軍、バディになった。それが5年前である。
「二人とも特尉になって、サユイラは「ゼクス・マーキスの再来」とまで言われるようになって」
「この素顔はもう君にしか見せられない、それくらい信用してきたからこそここまでこられたんだよ」
そう言うとサユイラは仮面をはずし、エルヴのほうを見た。その瞳はまぶしいほどに輝くダイヤモンドのようで、一般人出身にもかかわらず、どこか品を感じる。その顔をみてエルヴは微笑んだ。
「エルヴ…私と共に来てくれてありがとう、そして、今回の戦い…」
「存分に戦おう
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