第70話 =貫きたい想い=
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「……バイバイ…ってまたなの?」
「だね。また1匹遠ざかってくな…」
象水母改めトンキーの背中に揺られて結構な時間が経つ。その間にはぐれ邪神とニアミスしたのは1回2回では収まらないほどだ。だがその全ての邪神がこちらを襲ってくるわけでもなくただ見てそのまま立ち去っていく。そして今回は珍しくサウスがその邪神に手を振っていた。
そんなサウスは置いておいて…
「えー、それ酷くない?」
「酷くない酷くない」
やっぱり置いておこう。先ほどの三面巨人は何故襲ってきたんだろうか…。乗ってからしばらくニアミスもさっき言った通りたくさんあったし体の一部が当たっていたこともあった、だがそれでも戦闘にはならずにそのまま歩を進めるトンキー。
「おーい、キリト君、寝ないでってばー」
リーファも隣のスプリガンに意見を求めようとするが残念ながらそいつはこっくりこっくりと首を揺らしていた。一番ログアウトしなきゃいけないのこいつじゃないのか…?
もう一度拳骨使用としたリーファはその拳の力を緩め完全に手を開いてトンキーの背中に積もった雪をかき集めている。表情がニヤリとしているものだから完璧に何かやらかそうとしている、が止めるよりも見ていたほうが楽しそうだから止めはしない。
「えぃ」
「…ふぎゃっ!」
キリトが突然変な悲鳴を上げて跳び起きる。どうやら雪で刺激したらしい、しかも背中に。キリトはしばらくリーファを恨めしそうな顔で見ていたが完璧に自業自得だ。
「もしかしたらだけど、邪神の間でも人っぽいのと獣っぽいのが争ってるってことかな」
「そうなのかもね……もしかしたら人型のはトンキーの仲間だけを襲うのかも…」
「なら、それを解決するっていうのがイベントの正体…なのかもな」
「でもそれも神のみぞ知る…ううん、トンキー君のみぞ知るってところかな」
サウスがちょっと上手いこと言っただろといういわゆるドヤ顔をしてこちらを見てくる。だが、反応が無かったことに恥ずかしさを覚えたのかコホンと咳づくと同時にトンキーが動きを完全に止める。
「うわぁ…」
「…でっかい穴だね」
気になったのか我先にとトンキーの頭近くまで移動し前方を覗き込んだ女子2人はほぼ同時に感嘆の声を漏らす。その2人に続いて俺とキリトも覗き込むとそこには巨大な穴があった。
「うわ…下見えねぇ……」
「これって落ちたらどうなるのかな」
緊張を含んだ声でキリトが呟くと肩にいるユイがマジメな声で答えた。
「わたしがアクセスできるマップデータには、底部構造は定義されていません」
「ってことは底なしってことか……落ちたらどうなるのか興味あるな」
「やってみればいいんじゃないかな?」
「嫌だよ、死にたく
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