第70話 =貫きたい想い=
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んでいく。その中でサウスが口を開いた。
「…下がろうよ、みんな」
「…でも…」
幾度も体を震わしているリーファはトンキーが攻撃されるのを見過ごせないらしく足は動こうとはしない。
「わたしたちの目的はここでこの邪神を助けることなの?違うよね………アルンへ行くこと、それが目的なんじゃないの?それなのにこんなところでウンディーネの攻撃に巻き込まれたら耐えれる可能性は無いし、最後のセーブポイントまで戻ることになるよ」
だが、動こうとしない皆を見てサウスは俺たちに今の目的を再確認させる。確かに今の状況ではそれは正論中の正論、その時の感情に流されてばっかりではいつまで経っても目標の場所にたどり着けない。あと数日というタイムリミットもあるのでそれは十分に理解しているつもりだ。キリトとリーファも納得できてないようだったがその言葉に頷き、底なしの穴のふちへと向かっていくがそれでも俺はどうしても動きたくなかった。
「リクヤ君、早くしないと!」
「やだね」
サウスの声と同時にカウントダウンが半分を切った。それでも俺は動く気すらない。
「どうして?ここでモンスター守ってやられたら元も子もないんだよ?」
「それでも動きたくない。守れるものを『目的のため』だとか『しょうがない』とかくだらない理由をつけて守ることを止めてそれから逃げることはしたくない。そんな生き方は……クソ喰らえだ!俺が守れるものは最後まで、俺が守り抜いてみせたいんだ!」
このままトンキーを見殺しにすることも簡単だ、でもそれだといざというとき俺は逃げてしまうかもしれない。1度でもそんな経験があったらその逃げる気持ちはどんどん大きくなって自分の生き方になってしまう、そんな感じがした。
「……だから俺はここから逃げない!!トンキーを守ってみせる!!」
「…そうか、なら容赦はしない。…攻撃、開始!!」
その男の指示でガシャンガシャンと言う金属音が重なり重装戦士がこちらへ近づいてくるのが判る。近距離からの攻撃なら剣をどうにか使えば可能な限りはトンキーのダメージを減らすことは出来るだろう。だが、問題は魔法、あれは実体が無いせいで斬ろうとしても斬ることの出来ない代物だ。
向こう側も当然近距離だけで攻めてくるはずもなく爆発音とともに熱風が押し寄せてくる。
「なら…こっちも……神聖なる雫よ、この名を以ちて悪しきを散らせ!ライトニングブラスター!!」
詠唱を完成させ、手をその魔法の来る方向へ向けると目の前に雷級が発生しそこから扇状に雷撃が放たれる。だがそれだけでは対抗することは不可能に近い。現に先ほどの爆発音の元凶と思われる火球がこちらへ押し寄せてくる。
「ぐぁっ!!」
よければその分だけトンキーに当たってしまう、それだけは避けた
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