第70話 =貫きたい想い=
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ない」
こんな会話でトンキーの背中部分に戻ろうとしたとき、突然がくんっと邪神の体が動いた。もしやこのまま捨てられるんじゃ…と懸念したけれどどうやら恩はちゃんと恩で返すタイプらしく20本の肢を内側にしまいながら水平に巨体を下ろしていく。しばらくするとズシンと雪に接し、ひゅるるとトンキーは小さく啼くと長い鼻までも内側へ閉まっていき完全に動きを止めた。
「…降りてみよう」
「マジなの、リクヤ君…」
「この高さなら大丈夫だろ……っと」
軽く飛び降りて、うしろを見るとそこには象でもなく水母でもない饅頭がそこにいた。
「……ねぇ…聞きたいんだけど」
「こいつ結局、何がしたかったんだ……?」
サウスとキリト、リーファもこちらへ来てそう呟くが、こっちが聞きたいくらいだ。突然リーファがトンキーの元へと近づき、叩いたり呼びかけたり耳を当てたりしたするも返事がなくそれが癪に障ったのか口をとがらせて毛の一本引っ張ろうとしたその時…
「おい、リーファ、サウス、リクヤ…上見てみろよ。凄いぞ……」
「え……?」
「なになに?」
「……おぉ!」
キリトに従い上部を見上げると、そこは地下中央の巨大円錐氷柱の真下だった。よく目を凝らして見てみると、巨大な氷柱の中には何らかの構造が有るらしく、広間や通路らしきかがり火が見える。世界樹の根の洞窟って感じだ。
「あれ…ダンジョンなの?そんなに大きなもの見たこと無いけど…でも」
「うん…もしあれがダンジョンならALO最大規模よ」
その入り口届きそうも無いのに手を伸ばす。もちろん到底ジャンプでは届かないし、地下飛行が有る程度可能なインプでも着く前に限界が来て墜落してしまいとどきはしないだろう。
「パパ、東から他のプレイヤーが接近中です!1人……いえ、その後ろから、23人!!」
「なっ!?」
突然のユイの警告に思わず驚いてしまう。20人、しかもこんな難しいダンジョンなのだから相当な手馴れだろう。…一体何の目的でこんなところまで?
「…もしかしたら帰れるかもしれないよ」
「どういうこと?」
「23人なんてメンツでここまで来るのは邪神狩りパーティしかありえないよ。…ということは多少時間はかかるかもだけど」
「一緒に脱出させてもらえるってことか……」
「でも、そしたらトンキーが!」
淡々と言うサウスに食って掛かろうとするリーファだが水がはじけるような音とともに1人の男が姿を現す。青みが狩るほどの白い肌に水色の髪を持っているということはウンディーネ、そして今の身のこなしから偵察・索敵役というのが俺でもわかった。
「……何の用?」
「ただの質問さ。あんたら、この邪神を狩るのか狩らないのか教えてほしくてね」
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