しあわせになれる場所を探しました
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目なんだ。
…………せめてギルドが一緒だったら事務側に回して、シリカと一緒に仕事をさせるんだがな。
サチは月夜の黒猫団のメンバーだ。血盟騎士団である俺達が口を出して良い話じゃない」
「でも……でも、サチさんは友達です!」
「それなら、こっそり話をしておいてくれないか? 月夜の黒猫団を捨てて血盟騎士団に入れってな」
「――――それはッ!?」
シリカは驚き、何も言えずうつむいて、そのまま押し黙った。
「深く考えるな。みんな自分の事だけで精一杯なんだ。
サチの事なんて、他人の事なんて、そうなれたら良いねって程度で良いんだよ。
生きて行くには、本人の目標と努力が必要なんだ。
俺達がサチの事を決めちゃ駄目だ。サチの事はサチ本人が決めなきゃいけないんだ。
サチが選んでサチが決めたら、俺達はそれを助けてやるだけさ」
「…………はい」
暫く待ってみたがシリカの涙は止まりそうに無い。
「なぁ、シリカ。やりたい事があるなら、どうすれば出来るか調べなきゃいけない。
俺達がサチを助ける為には、サチを血盟騎士団に誘う事しかできない。
今俺達に出来る事はそれだけだ。傍に居られないなら手を伸ばせば良い。
後はサチが俺達の手を掴んでくれるのを待つだけだ。
誰だって死にたくない。楽しみたい。幸せになりたい。一度は思う事だ。
サチが俺達の手の中にそれを見つけられるなら、必ず手を取ってくれる。
シリカ、お前は何を思う? 答えを出せるのなら、後は調べて努力して幸せになれ」
暫くするとシリカが涙を拭いて顔を上げた。
「…………あたしの答えはまだ判りません。
でも、いつか見つけたいと思います。あたしが幸せになれる場所。
――――できれば、あたしの好きな人と一緒に」
「そうかい、せいぜい頑張れ。
さて、かなり時間食ったな。奥に行くぞ」
「……………………………………精一杯がスルーされました」
「何か言ったか?」
「な、何でもありません!」
シリカを後ろから抱えて隠蔽スキルと忍び足スキルを発動させた。
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