しあわせになれる場所を探しました
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狩が終わってさ、盾一枚でこんなに変わる物なんだなって、
そんな事を考えてたら、あいつ盾を差し出してきたのよ。『良かったら使ってみるか?』って。
そこまでされてやっと気付いたのよ、あぁ、意図的だったんだって。
まぁ、最初から『盾を使え』なんて言われたら、あたし意地でも盾なんか装備しなかったわ」
「それで盾を装備してたんだ…………」
「流石に雑魚を相手にしてる時は外してるけどね、
やっぱり安心して回復ポーションを飲む時間が欲しいじゃない?
スイッチを仕掛けるタイミングも増えるしさ」
「そうだね、とても助かってるよ」
「さぁ、さっさと名前を確認して、サチを探しに行きましょう」
「うん、急ごうか」
そこへアルゴから返信が届いた。
キー坊と一緒に第十一層タフトで待っていル。
………………
…………
……
主街区の外れにある水路。
その入り口よりも更に上流の水門にシリカを連れて来た。
「サチは恐らくこの先に居る。だが見つけても声を掛けるな。
誰かが迎えに来るか、サチが自分から帰るまで待つんだ」
「…………どうしてそんな事をするんですか? 一緒に帰れば良いじゃないですか」
「サチが自分の意思で逃げ出してたら、此処で俺達が連れ帰っても――――次は飛び降りるかもしれない」
「……――逃げ出す? 飛び降りる? ……どうしてですか!?」
「少し前に、安全だと言われていた狩場で一人の女性プレイヤーが死んだ。
運悪く一人になった所を大量のリポップに巻き込まれたんだ、他にも狩をしてたプレイヤーも居たが、
あっと言う間だったらしい…………そいつがサチの友達だった。
――――そして次に運悪く死ぬのは自分かもしれないってな。
サチの性格を考えると、そう思ってても不思議じゃないし。
このデスゲームから逃げ出せる場所を探しているのかもしれない」
「…………サチさんはもう充分強いですし、キリトさんだって傍に居ます!
大丈夫だって、ぜったい大丈夫だって言ったら良いじゃないですか!
どうして助けてあげないんですか? どうして励まさないんですか!?」
ぽろぽろと涙を零しながらシリカが訴える。
「シリカ。俺達がサチと会えるのは、週に数回会えるか程度だろ?
サチが立ち直るまで毎日傍に居てやれる訳じゃないんだ。
お前が月夜の黒猫団に入るのか?
お前は自分に憑いて回る噂で、血盟騎士団以外のギルドには門前払いだったんだろ?
今のケイタ達に、お前をその噂から守れるだけの力があるか?
血盟騎士団の後ろ盾が無くなれば、サチまでそう言う目で見られるんじゃないのか?
今のサチを俺達が助けちゃ駄目だ、駄
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