夜の散歩をしました
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される。
倫理コード解除は、お前の気まぐれで黒鉄宮送りにされたくないからだよ。
――――嫌なら帰れ」
キリッと、真顔で突き放す様に言って見た。
「わかりました。そう言う事なら解除します」
真面目に返された。
「…………オマエな、そこは普通『それなら先に帰りますね』って言う所だろうが」
「ここは第十一層ですよ? どんなクエストか知りませんが、そんな事までしないと達成できないんですよね?」
「よし、後悔するなよ?」
「――――え?」
通常、装備や回復アイテムやモンスターから出たドロップなど、持ち歩ける重量限界はスキルや装備品、STRに依存する。
どのプレイヤーも重量限界ギリギリまでドロップを持ち歩いている為、プレイヤーがプレイヤーを一対一で持ち上げるのは不可能だ。
メニューを空っぽにすれば持ち上げられるかもしれないが、現実的ではない。
だが、俺はとりあえずSTR極振りと言うアホな方針を立てている為、それが実行可能だ。
道のど真ん中、人ごみの中でシリカを正面から胸に抱きしめてピナごとマントの内側に納める。
肩と腰に手を回し抱き上げて、裏路地へと駆け込んだ。
「ムー!?」
「大人しくしてろ、もう少ししたら休憩させてやる」
暫くシリカを抱えたまま裏路地を進み、噴水広場に辿り着くとシリカを開放する事にした。
「今なら喋っても良いぞ? 立てるか?」
「…………はい」
俺の腕の中でピクリとも反応しなくなっていたシリカを地面に下ろし、自分の足で立たせる。
マントから顔を出したシリカは真っ赤になって茹蛸状態だ。
シリカの視界には何度もハラスメントコードが表示されてた筈だが、結局押さなかったな。
押してくれればそれで終わりだったんだが…………。
「お前、手鏡持ってるか? はじまりの街で茅場から貰った奴」
「あ…………ごめんなさい、落として割っちゃいました」
「なら俺のでやるか」
メニューから手鏡を選択してオブジェクト化する。
「こいつには特殊な使い方があってな、水と相性が良いんだ」
「水ですか?」
「そこに立ってろ」
シリカを放置して噴水の溜池に手鏡を浸ける。
「――――消えた? 鏡が見えなくなりましたよ?」
「そう、アルゴと検証したんだがな、他の鏡やガラスでは無理だった。 そして俺の手元には手鏡は存在したままだ、シリカが映ってるぞ」
「こっちからは全然見えません、何でそんな事が出来るんですか?」
「まだまだ水の再現が難しいからだよ、お前も風呂に入ってるから解るだろ?」
「確かに現実でお風呂に入る感覚とは違いますけど…………」
「まぁ、使い道は少ないけ
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