お友達が居ました
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高いメニュー頼んどくんだった!? …………ねぇ? この装備いくらくらいで売れるかな?」
「やめときなよ、折角貰ったんだから」
「えー? でもなー? お金にしたら半年ぐらいの宿代にはなりそうじゃない?」
「…………別に、貰ったのはミカだから、どうするかはミカの勝手だけどさ」
「もー、冗談だよ、そんなに拗ねなさんな、色々あったんでしょ? 今日はたっぷり聞かせてよ」
「うん…………」
色んな事が沢山あって、伝えたい事も沢山あって、
その日は一生分お話をしたんじゃないかって言うくらいおしゃべりをして
…………けどそれが、ミカと話す事が出来た最後の日だった。
数日後、黒鉄宮にて。
私はミカが死んだ事をまだ信じられなかった。
《生命の碑》の前にミカのギルドの人達が大勢居る…………まだだよ、名前を見て無いから。
見覚えのある白い鎧に赤いラインの入った長身の男の人が居た。
「クラディールさん?」
「………………来たのかサチ」
「…………――――ミカは何処ですか?」
「…………自分の目で確かめろ」
――――嫌だ。
それでも《生命の碑》を確認してしまう、嘘であって欲しい。
……………………そこには、ミカの名前を削り取った様に、存在を許さない様に、
死亡を示す二本の線が引かれていた。
「渡したレア装備はジャケットだけ装備して、残りはギルドメンバーに譲っていたそうだ。
安全な狩場だったが、一人になった所をモンスターのリポップに巻き込まれてタゲを集中させちまったんだと。
周りのプレイヤーも直ぐに気づいて助け様としてたらしいんだけどな」
…………誰かに何か言われてる気がする。
何処をどうやって帰ったのか、気が付けば私は宿屋の部屋で立ち尽くしていた。
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